台湾の人気山岳観光地阿里山(アーリーシャン/アリサン)

台湾で人気の山岳観光エリア阿里山(アーリーシャン/アリサン)

赤い登山列車でご来光を見に行く雄大な自然を手軽に楽しめる人気の山岳観光地、阿里山(アーリーシャン)

台湾の中央南寄りに位置する阿里山は、大塔山や祝山など10以上の山々から構成される地域。レトロな登山鉄道に乗って2000m級の山に簡単に行けることから、台湾でも人気の観光地となっています。鉄道のほかにも、森に点在する巨木、ご来光、雲海、夕霞など見どころが多く、「阿里山の五大奇観」として広く知られています。また、この地域は阿里山茶やコーヒーの産地でもあり、おみやげにも困らないのがうれしいところ。うっそうと茂る森の中をハイキングしたり、日の出を眺めたりして自然のパワーをもらいましょう。

阿里山森林鉄道に乗って山上へ

ホームに停車する阿里山鉄道

奮起湖まで標高差約1400mの鉄道旅

阿里山森林鉄路(アーリーシャンセンリンティエルー)は、嘉義から阿里山を結ぶ総延長70kmを超える鉄道路線。阿里山から切り出した木材を運搬することを目的に、日本統治時代の1912年にほぼ全区間が開通しました。

線路幅は762mmの狭軌と呼ばれるタイプの鉄道で、急峻な山を上るためにループやスイッチバックを駆使して高度を上げていきます。脱線事故や台風被害などのため運休を余儀なくされていた期間もありましたが、2017年5月現在、嘉義駅~奮起湖駅間と、阿里山駅~神木駅/沼平駅/祝山駅の区間で運転しています。

中でも人気が高いのは、嘉義駅~奮起湖(フェンチーフー)駅を結ぶ森鉄本線です。嘉義駅を出た列車は路面電車のようにのんびりと走り、やがて辺りの緑が増えてくると、山を上り始めます。高度を上げるにつれ、南国らしかった植生が徐々に変わっていくのを感じられるはず。

約2時間20分で終点の奮起湖駅に到着。美しく穏やかな風景を眺めながらの鉄道の旅は、この地で必ず体験したい観光のハイライトです。

奮起湖の老街

懐かしさ漂う奮起湖(フェンチーフー)の老街(ラオジエ)

奮起湖駅は標高1403m、ここは沿線最大の町です。ホームに降り立つと先方に車庫が見え、中にはかつて活躍した蒸気機関車が置かれています。忘れずに見学していきましょう。

駅舎を出るとすぐ、「南台湾の九份」と呼ばれるレトロな趣の中心街が始まります。山の産物を売る露店やレストランやみやげ物屋さんなどが並んでいて、どこか日本の山の観光地を思わせる懐かしい雰囲気です。

ここでゆっくりして山を下ることも可能ですが、さらに上を目指すなら、5分ほど歩いたバス停から阿里山行きのバスに乗り込みます。

インフォメーション

走行中の阿里山森林鉄道

嘉義駅から奮起湖駅までの阿里山鉄道本線は、平日は毎日1便運行。土曜日と祝日はさらに1本、日曜にはさらに1本増便されます。時刻表は阿里山鉄道のウェブサイトにて確認できます。

阿里山森林鉄道ウェブサイト
http://www.railway.gov.tw/Alishan-jp/index.aspx

チケットは嘉義駅の窓口で出発の3日前から販売していますが、人気が高く売り切れることも多いので、早めにおさえておきましょう。

予約専用ウェブサイトでは、乗車日の14日前から予約とクレジットカード決済ができます。

阿里山鉄道予約(中国語のみ)
http://alishan.railway.gov.tw

嘉義駅近くの嘉義県公車バスターミナルから、奮起湖や阿里山へ向かうバスも出ており、奮起湖までは約1時間40分、阿里山まで約2時間30分です。

阿里山駅とその周辺の見どころ

阿里山エリアを走る鉄道

阿里山駅から鉄道で観光メインのエリアへ

阿里山駅の周辺はホテルやみやげ物屋さんが並ぶ観光の中心で、旅行の拠点はこの付近にすると便利でしょう。駅から階段を下った駐車場一帯には観光案内所やバス停があり、ご来光やホタルを見に行くツアーの発着地点にもなっています。

阿里山駅からは、神木線と沼平線という阿里山鉄道の路線が運行していて、1kmちょっと離れた阿里山森林遊楽区まで鉄道で行くことができます。わずか6~7分の短い路線で、徒歩でも30分あれば着く距離ですが、森の中を赤い列車に乗って走るのはなかなかいい気分です。

阿里山遊楽区姉妹潭

阿里山森林遊楽区(アーリーシャンセンリンヨウラーチュー)で森林浴

阿里山駅からは沼平線に乗って沼平駅で下車し、木々の間のハイキングを楽しみつつ神木方面へ向かうのがおすすめです。このコースなら、下り坂が多くそれほど疲れずに森林浴を楽しめるでしょう。

遊楽区には深い森が広がり、思わず深呼吸したくなるすがすがしい空気に満ちています。姉妹潭と呼ばれる大小の池や、巨大ヒノキの切り株、珍しい小鳥などを眺めつつ、神木方面へ歩きましょう。森の中の道を30分ほど下るとカラフルなお寺の受鎮宮があり、周囲には食べ物などを扱う売店もあるので、ひと息つくのもいい気分です。

阿里山遊楽区のご神木

樹齢2000年を超えるご神木

阿里山森林遊楽区の神木駅に近いエリアでは、巨木が多く見られます。かつてこの近くには樹齢3000年といわれる巨木があり神木とされていましたが、腐敗などの理由で1998年に切り倒されました。現在の「阿里山香林神木(アーリーシャンシャンリンシェンムー)」はそれに代わる神木で、高さ45m、周囲12.3m、樹齢2300年と推定されています。

阿里山で眺めるご来光

ご来光列車の祝山線に乗って

阿里山観光の目玉とのひとつといえるのが、山上から見るご来光。阿里山鉄道の祝山線は、展望台前の祝山駅まで毎日運行しており、台湾で最も標高が高い2451m地点から日の出を拝められます。祝山駅から10分ほど歩いた所にある小笠原山展望台は、人が比較的少なく景色がよくておすすめです。

込み合う祝山線を避けたかったら、車で行くご来光ツアーに参加する手もあります。麓からのバスが阿里山に到着すると、ツアーの係員がバス停まで説明にやってきて、その場で申し込むこともできます。

インフォメーション

阿里山周辺の風景

阿里山駅から鉄道で行く場合、祝山駅へは約25分、沼平駅へは6分、神木駅へは7分。それぞれ徒歩で向かうことも可能です。

各区間のチケットは限定で、阿里山駅で購入しますが、祝山線のみ前日の13:00~16:30に発売されます。発車時刻は日の出の時間によって異なり、前日の13:00に発表されます。始発列車は夏は4時ごろ、冬は6時ごろです。

沼平線と神木線は、乗車定員の350人に満たない限りはその場でチケットを購入できます。

※2017年8月現在の情報です、現地事情により内容が異なる場合がございますので、ご了承ください

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