第37回
TEA FOR TWO
ユー・ガット・メールではトム・ハンクスがメグ・ライアンにやさしくお茶を
入れていたが、『はるかなる大地』ではトム違いのトム・クルーズがニコール・キッドマン
の召使いという役どころ。アイルランドから夢を抱いて二人アメリカ
へ船出したというのに船上のデッキのお茶のシーンのとげとげしいこと。
ニコール"Thank you, boy."
トム "Don't call me, boy."
ニコール (取り合わずに)Sugar!
トム トングを使って角砂糖を一つ、ポチャンと入れる。
ニコール "Two!"
"Would you put one more sugar?" なんて召使には言わないのだ。
更には"Parasol!"と追い討ちをかけられ、トムはすっかりふて腐れてしまう。
こうしたお茶の場では単語のみで会話を済ませられる場面が多い。
Tea? Cookie? Pie? Jam? More? ああ簡単!が、boyという呼びかけは今で
は使われない。昔は奴隷に対して使ったので非常に語感が悪いのだ。『大いな
る遺産』のオリジナル版でも少年期の主人公が高慢な少女に Come in, boy.お
いで、お前、Don't loiter, boy.ぐずぐずするんじゃないの、お前とヒュミリエイト(侮辱)
されていた。どちらの女性も最後はそのboyと結ばれるのはお約束通り。
Have a great day!
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工藤明子
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