キューバで世界遺産をめぐりながら革命までの軌跡をたどってみる
ヨーロッパ建築の建物がそのまま残る、旧市街オールド・ハバナ。ゲバラゆかりの地でもあるたばこの名産地ピニャーレス渓谷、スペイン植民地時代の要衝カマグエイ歴史地区。キューバにも歴史を物語る世界遺産があります。いざ、キューバの世界遺産を歩いて歴史をたどる旅へ。
ハバナ旧市街地はハバナ湾に面した地区で、要塞軍とともに世界遺産に登録されています。17~18世紀にスペイン人が建設を始め、バロック様式やアールデコ、新古典主義など、さまざまなヨーロッパ建築様式の建物があります。また、外交をしていたころのアメリカ文化のモダニズムが混ざった建築物もたくさん残っている街です。あちらこちらから、生バンドやストリートミュージックが聞こえ、人々の歌声や笑い声が聞こえるこの市街地では、ホテルの外に出て生バンド演奏に聞き入ったり、一緒に歌ったりと夜もなかなか寝かせてくれない魅力的な街です。
キューバは、鎖国時代のように諸外国と接触を持たず、独自の文化を築いてきました。そんなキューバの人々は明るく陽気で、素直な人たちがとても多いです。
旅行中に一番困るのは、女性特有の悩みです。キューバではあまり薬や女性の生理用品が売られているお店がありません。そのため、片頭痛といった持病がある場合には必ず常備薬や生理用品などは持って行ったほうが便利です。荷物になるようでしたら帰りは近所の女性にプレゼントしても大変喜ばれるので心配ありません。
ビニャーレス渓谷は、たばこの生産地として有名な世界遺産です。今でも伝統的なたばこの製法を守り受け継がれています。渓谷はカルスト地形で、石灰石の岩山が絶妙なコントラストをなしています。周辺はたばこ畑ばかりで、のどかな山間の土地という感じです。岩山に入ると鍾乳洞(しょうにゅうどう)が多数存在し、ボートでの洞内ツアーや、ゲバラが秘密裏にトレーニングを行った洞窟を見学することもできます。また、洞窟内にはレストランもあるのでそこでキューバ料理も食べることができます。
葉巻の生産工場では、葉巻作りを見せてもらったり、採れたての果物ジュースを飲んだりと様々な経験が出来ます。特に、干したたばこの葉は一見すると雑草のようなのですが、その香りはすばらしく、不思議な感覚に陥ります。
最近では、独特の生態系を維持しているこの土地の動植物も注目されはじめ、エコツーリズムのツアーも盛んに行われています。いろいろなバスツアーがあるので、ホテルで予約してもらって行くのがおすすめです。
カマグエイ歴史地区は、スペイン侵略によってできた街であり、文化的・歴史的にも現存するスペイン植民地の名残を残す最後の場所ではないかといわれています。そのころに建てられた聖堂や修道院などの宗教的建物や、重要施設として建てられたものは当時のままに残されているため、歴史的に大変重要な街になっています。
歴史的に重要な街であるため、現在の姿を維持するためにホテル客室内は落ち着いた雰囲気になっているところが多いです。また、現金しか使用できない所が多いので、ハバナなどで現金を下ろしてから行くことをおすすめします。また、Wi-Fiも使えないところもあるので事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
街の中心部には教会や広場が多く、宗教的建物が好きな人だとかなり興奮してしまうでしょう。また、自転車タクシーが多い地域なので、目的地には小回りのきく自転車タクシーで近くまで行くと良いでしょう。