バリ島のケチャは幻想的な踊りと合唱が魅力の伝統舞踏
バリ島のケチャを旅行中に鑑賞したい、と考えている方も多いのではないでしょうか。6大寺院のひとつウルワツ寺院では、日没の時刻に合わせて公演が行われており、バリ島ならではの雰囲気が味わえると人気です。ダンスや合唱はもちろん、登場人物たちの衣装やコミカルなアクションにも目を奪われることでしょう。
バリ島各地で公演されているケチャは、古くからバリで行われていた宗教儀式「サンヒャン」を土台としたもの。霊媒が神のお告げを受ける儀式をベースに、ラーマーヤナの物語を題材として、舞台芸術として発展してきました。ガムランを使わず、人間の肉声だけで精神を高めていくのが特色です。
ケチャはレゴン・バロンと並ぶバリの三大舞踊のひとつと言われますが、その歴史は意外に浅く、1930年代にドイツ人の画家が中心となって、現在のようなスタイルで公演を始めたと言われます。
ウルワツ寺院は、断崖に建っていることから、美しい夕日の鑑賞スポットとしても有名です。
ウルワツ寺院では、日没の時刻に合わせてケチャの公演が行われます。夕暮れ時の幻想的な風景の中で鑑賞するケチャは、とても神秘的だと観光客にも有名です。
細かな演出は公演によって異なりますが、物語の大筋は、さらわれたシータ姫をラマ王子や猿の将軍が助けるというもの。チャ・チャ・チャというリズミカルな男声合唱の中で展開するダンスパフォーマンスは、言葉はわからなくても劇中に引き込まれるような興奮が味わえます。舞台の周りで円陣を組んで、立ち上がったり体を揺らしたりする姿も、舞台を大いに盛り立てます。
さらに目を引くのが、バリの美しい民族衣装に身を包んだ登場人物たち。シータ姫のしなやかな踊りと王子の力強い動きが、観客の目を引きつけます。物語のアクセントとなるのが猿の将軍で、ユーモアたっぷりの動きがコミカルで笑いを誘います。
今回紹介したウルワツ寺院以外にも、ウブドのタマン・カジャ村や、クタのヌサドゥアから車で2時間ほどのところにあるバトゥカル寺院で行われるケチャも有名です。実は毎晩のように、バリ島の各地でケチャの公演が行われます。バリ島へ行ったら、ぜひ本場のバリ舞踊を体感しましょう。
※本記事は2016年12月時点の情報です
更新日:2025/03/16