イギリスの伝統料理「プディング」の魅力とは
イギリスでは古くからプディングがつくられてきました。肉料理に添えるヨークシャープディングや、ベリーの季節には欠かせないおやつであるサマープディング、クリスマスの食卓の定番クリスマスプディングなど、さまざまな材料や食べ方のプディングがあります。
イギリスの名物料理のひとつがプディングです。日本ではプリンをイメージしがちですが、これは一般的にはアメリカのもの。イギリスでは、食事としてもデザートとしても楽しまれている料理です。
イギリスにおけるプディングとは、小麦粉や卵や牛乳を加熱して固めた料理の総称です。一般的にプリンと呼ばれるスイーツはもちろんですが、イギリスでは牛肉や豚肉、野菜を使ったお料理のプディングも出てきます。
イギリスでは古くからプディングが食べられていました。5世紀ごろには、卵や牛乳を使った簡単なプディングがつくられていて、その後貴族階級や修道院などでラム肉や果物を使った料理が振る舞われるようになります。
ヨークシャープディングとは、ローストビーフなど肉料理のメインディッシュに添えられる、シュークリームの皮のような軽い付け合わせのこと。オーブンでサクッと焼いてあり、グレービーソースや肉汁などをたっぷり吸わせて食べるのがイギリス流です。
サマープディングは普通のプディングのつくり方とは違う、イギリスでも人気の夏のデザートです。食パンをボウルに敷き詰め、旬のベリーと砂糖を煮詰めたソースを流し込んでパンでフタをし、重しをのせて冷蔵庫で寝かせるだけのお手軽スイーツ。ボウルごとお皿の上でひっくり返せば、伝統的なドーム状のサマープディングのできあがりです。ジューシーな食感と、豊富なビタミンが美容にもうれしいデザートです。
イギリスのプディングの代表格といえば、やはりクリスマスプディングです。クリスマスになると街中でも売られるこのプディングは、小麦粉や卵、ナッツ、ベリーなどの材料を混ぜ蒸してつくる、クリスマスを飾るものとして欠かせない存在です。家族みんなで手作りするプディングの、中からコインが出てくるラッキーエピソードは、日本にも紹介されていますね。
古くからイギリス各地でつくられてきたプディングは、イギリスの家庭に浸透している伝統料理です。肉料理の付け合わせのヨークシャープディングや、クリスマスに欠かせないクリスマスプディングなど、プディングを通してイギリス家庭料理の温かさを味わってみましょう。
※本記事は2017年4月時点の情報です
更新日:2025/05/02