フィリピンの民族衣装を解説!涼しくてどこかヨーロピアン
フィリピンの伝統衣装はバナナの葉やパイナップルなどから作られています。シースルーで詰め襟、刺しゅうのデザインなどが特徴です。バロンタガログのデザインにもさまざまなものがあり、お土産として購入することもできます。
フィリピン男性の伝統衣装であるバロンタガログは、バナナの葉ピーニヤやパイナップルの葉フーシを原料に作られています。あまりなじみのない素材ですが、耐久性抜群で麻のようなハリを持ちます。
糸を粗く織り、薄手で透け感のある布地が特徴的で、これはスペインによる統治時代、武器を持っていないことを示すために義務付けられたものだとか。薄いといっても光沢があり、両サイドのスリットもあわせて涼しげ。胸元に刺しゅうが施されていて、エレガントな印象も。中に半袖を着て、黒いパンツと合わせるのが定番です。
一方、女性用の民族衣装はテルノと呼ばれ、やはりパイナップルなどの繊維でできています。大きなパフスリーブやバタフライスリーブなど、袖が特徴的です。ワンピースのような洋風なデザインはヨーロッパのドレスに近いものがあるでしょう。男性用の衣装もそうですが、東南アジア諸国の民族衣装の中でも異色の存在感を放ちます。最近では、女性向けのバロンタガログも広く愛用されるようになっているそうですよ。
といっても、バロンタガログもテルノも正装衣装という位置づけですから、普段着として着られることはほとんどありません。結婚式や大切な行事など、特別な時の正装として用いられているという点では、日本の和装と近いものがあるでしょう。
バロンタガログやテルノは、お土産屋さんや専門店でリーズナブルな値段から購入できます。シースルー状になっているバロンタガログやゆとりのあるテルノは涼しげで、一年中温暖なフィリピンで過ごすのにはぴったり。現地で着替えを調達する予定なら、試してみるのも悪くないでしょう。お土産にするのももちろんよく、蒸し暑い日本の夏にちょうどよい素材感です。
パイナップルの繊維を使った縫製技術・繊細で美しい刺しゅうはフィリピンの伝統工芸ともいえます。つるしの既成品ではなく、もっとよいものをとなるとお値段の桁も違ってきます。色味やデザインにサイズとバリエーション豊富ですから、じっくり吟味して選びましょう。
更新日:2025/08/22