ドイツのじゃがいもはとんでもなくウマい! 旅行の際はぜひ食べてみて
ドイツでは気候的な理由から、古くからじゃがいもが料理に使われていました。ミュンヘンにはじゃがいも博物館があり、ドイツ国民の愛が伝わってきます。レシピが豊富ですので、旅行中も飽きることなくドイツ料理を楽しめるでしょう。
ドイツのグルメというとビールとソーセージ、そしてつけあわせのポテト。そんなイメージを持っている人は少なくないでしょう。ドイツ料理にはじゃがいもを使ったレシピが多く、必須食材のひとつに数えられます。
じゃがいもだけでフルコースをつくることもできるほどそのレシピの幅は広いですが、なぜドイツ料理にはじゃがいもが頻繁に使われるのでしょうか?
同じヨーロッパでも、フランス料理やイタリア料理はさまざまな食材をふんだんに使った、彩り鮮やかなレシピが多くあります。
しかしフランスやイタリアより緯度が高くて寒冷なドイツでは、食材が不足しがち。そこで代わりに、保存食品が発達してきました。マリネやザワークラウト、ソーセージがその代表格です。
大航海時代を経て南米からもたらされたじゃがいもは、長期保存が可能、寒冷なドイツの気候でよく育つ、などの理由で主食級の食材として重宝されるようになったのです。荒れた土地でも、種芋を土の中に植えておくだけで育つじゃがいもは、庶民の食べ物として民衆を飢餓から何度も救ってきました。
ドイツ人のじゃがいも愛の深さを示すように、ミュンヘンには世界で唯一のじゃがいも博物館があります。プファンニ社という食品メーカーの創設者の孫が、1996年にオープンさせました。
館内ではじゃがいもの歴史から、じゃがいもにまつわるアート作品まで展示され、ドイツ国民とじゃがいもの深い関係をうかがい知ることができます。プファンニ社の歴史も紹介されており、ドイツの食文化を学ぶにはうってつけの博物館です。
さまざまなじゃがいも料理があるドイツですが、中でも伝統的なレシピとして有名なのは「クヌーデル」です。クヌーデルとはじゃがいもをゆでて裏ごしし、ナツメグや小麦粉などと混ぜて丸めて団子状にし、10分ほどゆでた料理のこと。モチモチとした食感が特徴で、ひき肉を入れたりパン粉を混ぜたりと、いろいろなアレンジがあります。
ドイツの一般的な家庭料理の「農夫の朝食」は、スライスしてあらかじめゆでたじゃがいもと、ベーコンと玉ねぎを炒めて最後に溶き卵でとじるという料理。このようにドイツには魅力的なじゃがいも料理がいろいろとあるので、食事が旅の楽しみになるでしょう。
近世以降、ドイツの食卓に登場したじゃがいも料理のレシピバリエーションは豊かで、ドイツを旅する中でさまざまなメニューに出会えるのではないでしょうか。
※本記事は2017年1月時点の情報です
更新日:2023/12/01