多種多様なスペインのチーズまとめ。お土産にほしい!
スペインのチーズは、クセがないものから個性的なものまで豊富なラインアップがそろいます。スペインならではのチーズの食べ方もあるので、現地に行ったら食べ比べてみるのも、旅の楽しみのひとつとなるでしょう。
日本に住んでいると知る機会は少ないですが、スペインにはたくさんの種類のチーズがあります。日本のチーズは牛乳からつくられるのが一般的ですが、スペインでは羊やヤギの乳も使用します。そのブレンドや製造法の違いが、多様なチーズを生み出すのです。そこで、スペインの代表的なチーズをいくつか紹介します。
「イベリコ」といえば日本では豚肉のイメージですが、イベリコチーズはスペインではとてもメジャーな存在です。牛乳だけでなく羊とヤギのミルクの3種類を合わせてつくられ、そのために特有のクセが抑えられて、濃厚さや甘さが際立ちます。
ちなみにイベリコとは「イベリア半島の」という意味で、このチーズはイベリア半島中央部で特に生産が盛んなことから、その名前が付きました。
イディアサバルは、スペインのバスク州にある村の名前です。バスク地方でつくられるイディアサバルチーズは、その土地で育った羊のミルクでつくる、スモークされたハードタイプのチーズです。
加熱していない羊の乳の酸味と甘み、いぶす際に使ったブナや桜のスモーキーな香りは、ウイスキーなどの蒸留酒と相性がとても良いのです。また、チーズの塩気が意外と甘いものとも合うために、はちみつを添えてのデザートはもちろん、料理の一皿に加えて楽しむこともあるそうです。
ラ・マンチャ地方は、小説に登場する有名な騎士・ドン・キホーテが活躍した舞台。その土地で生まれたマンチェゴチーズは、羊の乳の深みのあるコクとまろやかさ、甘さとふくよかな香りが特徴です。
数百年もの歴史を持つチーズは、ドン・キホーテも小説の中でその味を絶賛するほどの、ラ・マンチャの人々にとってのおなじみの味。円筒形のチーズには網目模様が付いていますが、これは草で編んだかごに入れて熟成させていて、自然にその模様が付いたからというもの。草かごを使わなくなった現在でも、模様はそのまま残されているのです。
ケソ・テティージャのケソは「チーズ」という意味ですが、テティージャは「おっぱい」。名前の通り、おわんのようなまろやかなふくらみを持った形のチーズで、尼さんのおっぱいと呼ばれています。
牛のミルクでつくるチーズは、じょうごを使ったためにこのような形をしています。牛乳が原料で塩も控えめなので、マイルドでねっとりとした舌触りの優しい味わいです。
スペイン北部のカブラレス村でつくられているカブラレスチーズは、スペインではめずらしい青カビタイプ。原料は牛乳ですが、季節によって羊やヤギの乳をブレンドすることもあり、青カビタイプ特有のピリピリとした刺激のある味を持ちます。
カブラレスチーズは昔ながらの製法を守り、洞窟の中で自然に青カビが熟成してくれるのを待つというやり方を取っています。そのため力強く個性的な味わいで、強い酒や料理と合わせたい一品です。
スペインのチーズは、初心者でも食べやすいものから、強烈な味わいのものまでラインアップはさまざまです。試しやすいものから挑戦して、味覚のカルチャーショックを楽しむのも良いでしょう。
※本記事は2017年1月時点の情報です
更新日:2025/05/01