心がほっこりする!素朴でおいしいフランスのお菓子
フランスにはさまざまなお菓子がありますが、その中心はバターをたっぷりと使用した昔ながらの伝統的な焼き菓子です。華やかなものではなく、家庭的で温かみのある手作りの味がフランスのお菓子と言ってもいいでしょう。
フランスのお菓子は世界的にもおいしいと評判です。見た目の華やかなものから、素朴な田舎風のものまで、その種類は数え切れないほど。では、実際にどのようなお菓子がフランス人に好まれているのでしょうか。代表的なフランスのお菓子や地方独特の名産菓子などをご紹介しましょう。
ガレットとは、本来はフランス北西部の郷土料理やお菓子のこと。そば粉から作った生地をクレープ状に薄く広げて焼く軽食のガレットや、厚焼きクッキーのようなガレットがあります。中でも伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」と、バターをたっぷり使った厚焼きクッキー「ガレット・ブルトンヌ」が有名です。
ガレット・デ・ロワはフランスの新年には欠かせないお菓子で、公現祭(エピファニー)の日に作って食べます。パイ生地にアーモンドクリームを詰め込み、その中にはフェーブと呼ばれるかわいらしい陶器のオモチャを入れて作ります。切り分けたガレット・デ・ロワからフェーブがでてきた人は、王様になって王冠をかぶり、1日中まわりから祝福されるのが伝統行事となっています。
パイ生地を円形状の型に入れて焼くタルト。カスタードクリームや生クリーム、果物・チーズなどを詰めたり載せたりした、見た目でも華やかでかわいらしいお菓子です。一般的にはお菓子を示すことが多いですが、塩味の具材を乗せたキッシュのような料理もあります。
華やかにデコレーションされたソフトなスポンジケーキもありますが、フランスのケーキは昔ながらの伝統的なスタイルの、バターと牛乳と小麦粉と砂糖をたっぷりと使った素朴な焼き菓子がほとんどです。
卵白、アーモンド、砂糖といったシンプルな材料で作る小さな芸術マカロン。その配合や混ぜ方で、さまざまな口当たりのものが表現できるお菓子です。日本でも有名なカラフルなマカロンは「マカロン・パリジャン」と呼ばれているもので、ロレーヌ地方の「マカロン・ド・ナンシー」など、地方によっては日本のカルメラ焼きのような見た目の素朴なお菓子もあります。
ブルターニュ地方は酪農が盛んな地方で、乳製品の産地として知られています。ブルターニュ地方南部にあるゲランドでは塩づくりが盛んで、ミネラル分を豊かに含んだ「ゲランド塩」が有名です。お菓子にも当地の乳製品や塩をたっぷりと使ったものが多く、「ガレット・ブルトンヌ」や「ノネット」、「ファー・ブルトン」、「クイニー・アマン」などがあります。
ロレーヌ地方のお菓子と言えば「マカロン」や「マドレーヌ」が有名です。パウンドケーキのような「ト・フェ」や、サント・マリー修道会によって考案されたお菓子で美しい模様の型に入れて焼いた「ヴィジタンディーヌ」などがあります。チョコレートを使ったお菓子も多く、「ガトーショコラ・ド・ナンシー」や「ショコラ・ド・メッツ」などのチョコレートケーキもあります。
リムーザン地方のお菓子は「クラフティー」が有名です。クラフティーはタルト生地に練り合わせたやわらかい生地を流しこみ、フルーツをトッピングして焼いたお菓子です。特に有名なクラフティーと言えばさくらんぼが入ったものですが、他のフルーツが入ったものは「フロニャルド」という呼び名に変わります。
フランスのお菓子は、そのほとんどがお母さんの手作りから生まれたもの。そのため、昔ながらの素朴で味わいのあるものばかりです。各地方にはそれぞれ違った特徴のあるお菓子があるので、フランス旅行の際は各地方へお菓子めぐりの旅を計画しても面白い旅になりますよ。
※本記事は2017年2月時点の情報です
更新日:2025/05/01