シンガポール英語『シングリッシュ』で誰でも簡単に会話ができる!
『シングリッシュ』はシンガポールで日常的に使われる、英語と他言語が混ざり合ってできた、独特のなまりを含む言語です。短い単語だけで会話ができるので、英語が苦手な旅行者でも現地の人と楽にコミュニケーションがとれます。旅行に行った際には積極的に使ってみることをおすすめします。
旅行に行く際、現地の言葉で会話ができると世界がぐんと広がります。そこでシンガポールでは、英語が苦手な人でもコミュニケーションがとりやすい『シングリッシュ』がおすすめ。スタンダードな英語とはひと味もふた味も違うユニーク言葉ですが、そのなりたちやメリット、使い方のヒントをご紹介します。
シンガポールは多様な民族から構成されている国です。そのためマレー語・中国語(北京語)・英語・タミル語の4語が公用語に指定されています。
シンガポールは中華系人口の占める割合(2016年現在は74%)が多く、公用語である北京語以外にも福建語・広東語・上海語など地方独特の言葉も日常的に使用されています。一方、マレー語はシンガポールの国語とされており、国歌斉唱や軍隊でも使用されているのです。
そして経済発展の著しいシンガポールでは、英語がビジネスの場で欠かせない言語となっており、日常生活でもほとんどの人が英語を使用します。インド系の移民も多く、もとは南インドのタミル人の言語であったタミル語も公用語とされています。シンガポールの地下鉄や街中の看板を見ると、少なくとも4語が使用されているという複雑さなのです。
『シングリッシュ』という言葉を聞いたことがありますか?これは多様な言語の影響を受けたシンガポール独特の英語です。『Singapore English』を省略して『Singlish(シングリッシュ)』と呼ばれます。
同じ英語でも、国ごとの特徴があるのは当然の話で、アメリカの英語は『アメリカン・イングリッシュ』ですし、イギリスの英語は『ブリティッシュ・イングリッシュ』。地方ごとの方言のようなものです。
そうした中で『シングリッシュ』が特徴的なのは、とにかく必要最低限、短い単語で会話をすることです。主語やto/be動詞を省略して、no need(必要ありません)やgo bed(寝なさい)のように使います。また、中国語の影響を強く受けているため、過去形と現在形の時制変化もありません。
『シングリッシュ』の一部には、中国語やマレー語が混じるので、英語堪能な人にはかえってわかりにくいという声もあります。ですが片言的な言い方で、また日本人にとって苦手な「th」の発音を「t」と発音するなど、英語初心者にはありがたいかもしれませんね。
『シングリッシュ』は語尾に「lah」や「leh」をつけることが多いですが、特に大きな意味はなく「〇〇だよね?」や「今のところは〇〇だよ(完了形)」というニュアンスです。
例えば「No lah!」=「ダメだよ!」や「Ok lah」=「(今のところは)大丈夫だよ」といった感じです。
また語尾に「ma?」や「meh?」をつけると疑問文になります。「eat already ma?」=「もうご飯は食べたの?」のように使用します。
文章に組み立てる必要がないので、「donwan(ドンワン)」=「do not want(欲しくない、したくない)」という風に短く伝えることができます。
「can」もよく使われる単語です。「discount can?(もう少し値段をまけてくれる?)」や「can can!(いいよ!)」など単語単独で会話ができるので、英語を習いたての人にとっては心強いですね。
シンガポール英語として生活に根付いている『シングリッシュ』ですが、ビジネスの世界や学校教育などでは正しい英語を使おうという流れがあります。政府によって一部のメディアでは禁止されるといったケースもあります。
しかし地元の屋台や市場では普通に『シングリッシュ』が飛び交っていますので、旅行で訪れた際には積極的にコミュニケーションをとってみましょう。言葉が通じると人との距離はぐっと縮まります。単語を並べるだけで会話ができるので、堅苦しく文法を考えずに思ったことを伝えることができますよ。
更新日:2025/05/02