上海から行ける世界遺産。歴史と雄大な自然に触れる中国の旅へ
中国経済の中心都市のひとつ・上海近郊には、歴史的建造物や豊富な水と自然によって生み出された数々の世界遺産があります。高層ビルが立ち並ぶ都会から少し足をのばすと、中国の長い歴史や自然の雄大さなど、さまざまな魅力に触れられます。
上海近郊の蘇州(スウヂョウ)や杭州(ハンヂョウ)は、紀元前から続く長い歴史があり、それぞれに世界文化遺産が存在しています。
上海からは、高速鉄道や快速列車を利用すれば、1時間程度でアクセス可能。世界遺産を堪能したい人は、現地で宿泊してじっくり散策するのもおすすめです。
蘇州古典園林とは、五代から清の時代にかけて多く造られた、蘇州にある歴史的な庭園の総称。うち9つが、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。
中でも蘇州最大の庭園・拙政園(ヂュオヂョンユエン)は、留園(リウユエン)とともに蘇州4大園林、中国4大名園に数えられます。
それぞれの庭園は造られた時代によって特徴が異なり、中国の建築や造園文化の移り変わりを知ることができます。静かな園内をゆっくりと散策し、池や岩、庭木、趣ある家屋が織りなす景色の中から、お気に入りの場所を探してみましょう。
杭州市にある湖・西湖(シーフウ)の美しい景観は、周辺の環境とあわせて2011年に世界文化遺産に登録されました。
西湖十景と呼ばれる10カ所の絶景のうち、三潭印月(サンタンインユエ)は一元札の裏面のモチーフになっています。四季折々、朝夕で刻一刻と変わる美しさを見せ、夜にはライトアップされた建造物や湖面に映る夜景が楽しめます。
西湖の周囲には整備された遊歩道があり、徒歩やレンタサイクル、電動カートで西湖十景を回れます。湖の島部分にある三潭印月へは、遊覧船で訪問することが可能です。体力に自信のある人は自転車で西湖十景を回りながら、周辺の寺院や文化遺跡に寄り道するのもよいでしょう。
上海の西に位置する安徽省には、古村落や黄山(フアンシャン)などの世界遺産が存在します。古村落は、明から清の時代にかけて栄えた農村の家屋や水路がそのまま残る文化遺産で、数々の中国映画のロケ地としても知られています。黄山は、世界でも数少ない複合遺産として人気のスポットです。
安徽省黄山市にある山々で、存在感のある風景を見るために古来より多くの文化人が訪れた場所といわれています。
黄山第一の峰である蓮花峰(リエンフォアフォン)をはじめ、切り立つ岩山と広がる雲海は、仙人が住んでいそうな神秘的な光景です。数々の芸術作品のテーマとされ美術史に影響を与えてきたことから、自然と文化の両面で評価され、1990年世界複合遺産に登録されました。
黄山へ徒歩で登るには本格的な登山装備が必要になるため、観光で訪れる場合は山頂まで行けるロープウエーの利用が便利です。
中国南部の重慶市から雲南省、貴州省、広西チワン自治区にかけて広く存在するカルスト地形は、2007年に世界自然遺産として登録されました。
2014年に追加登録された桂林(グエリン)へは、上海から空路直行便にて約3時間。長い年月をかけ、自然の力によってつくりだされた雄大な景観は、どこを切り取っても絵になります。
石灰岩が侵食されたり、地殻変動で盛り上がったりして形成された独特な山々は、まさに中国山水画の世界そのもの。山々のふもとを縫うように流れる漓江(リージャン)、鍾乳洞の蘆笛岩、象が水を飲んでいるような象鼻山など、見どころ満載です。
中でも、観光船や竹いかだに乗って漓江から見上げる山々や川面に映る景色は、多くの観光客を魅了しています。
※本記事は2017年10月時点の情報です
更新日:2025/05/01