アメリカの国立公園はスケールが違う! ここだけは見てほしいおすすめ3選
アメリカ最古の公園にしてもっとも有名なイエローストーン国立公園、岩塩層が作り出した天然の美術館アーチーズ国立公園、海岸線・山脈・温帯雨林がつまったオリンピック国立公園。アメリカ国内にある59の国立公園から、とっておきの3カ所をご紹介します。
アメリカ国内には59の国立公園が存在します。そのなかで最も有名な国立公園といっても過言でないのがアイダホ、ミネソタ、ワイオミング3州にまたがるイエローストーン国立公園。1872年登録のアメリカ最古の国立公園です。
広大なイエローストーン国立公園の園内は5つのエリアに分かれており、制覇するには数日必要でしょう。園内には8の字型のルートがあり、南ルートのガイザーエリア、オールド・フェイスフルの間欠泉は約45分ごとに蒸気を噴き上げることで有名です。ビジターセンターや園内に無数に広がるトレイルヘッド(入口)でもあることから、いつもにぎわいを見せる場所です。お土産もここで購入できます。
ほかにもキャニオンエリアのアーティストポイントの高低差100メートルを誇る峡谷を流れる滝や、年間を通して開園しているマンモス・ホットスプリングエリアなど、見どころがたくさん。イエローストーン川付近には野生動物が数多く生息しています。エルクやバイソン(バッファロー)をはじめ、クマ、オオカミ、ワシなどを見ることができるはずです。バイソンといった大型動物を道路で見かけたら、徐行運転を。
ユタ州モアブより車で走ること約10分。そこに見えてくるのはアーチーズ国立公園です。サーモンピンクのエントラーダ砂岩層と、黄色のナバホ砂岩層が折り重なる地層を作り上げ、岩塩層の特殊な伸縮や移動の性質が風や水の浸食を受けて削り取られた結果、自然の産物としては奇跡的ともいうべき美しい曲線を持つアーチが生まれました。
合計2,000以上のアーチが園内にあるといわれますが、世界的に最も有名なのがデリケートアーチ。トレイルポイントから約2.5キロメートルのハイキングでしかたどり着けませんが、規模、形、すべてが一見の価値ありです。ほかにも全長90メートルもあるランドスケープアーチや絶妙なバランスを持つバランスト・ロックなど、見どころは尽きません。また、ウルフランチでは先住民が遺した貴重な壁画を見ることもできます。
アーチーズ国立公園は砂漠気候に属するため、夏は気温が40度を超えることも珍しくありません。ベストシーズンは春・秋ですが、日中の気温はかなり上がりますので、十分な水分補給を心がけてください。
ワシントン州オリンピック半島に位置するオリンピック国立公園は、1938年に国立公園に指定され、1981年に園内の森、ホー・レインフォレストが世界遺産に登録されました。
ホー・レインフォレストは北米全土でもトップを争う湿度の高い土地で、コケは木々の枝を覆うように長く巻き付き、その湿った先端はすだれのようにトレイルに張り出しています。森を歩くトレイルは3本。いちばん長いものでも2キロメートルと短めですが、樹齢数百年の樹木に絡みつくコケはほかでは見ることのできない貴重な光景です。
園内ハリケーン・リッジから眺めるオリンピック山脈最高峰オリンポス山は、峻険(しゅんけん)な稜線(りょうせん)を持ち、最長5キロメートルの氷河も擁しています。そして海岸線。コケの生えた岩や流木がゴロゴロと転がった足場の悪いビーチが多い地域ですが、バックパックで歩く旅が人気です。ただ、幅の狭い海辺は満潮時に通路を塞ぐこともあるので、しっかり旅程を組むことをお忘れなく。
※本記事は2016年5月時点の情報です
更新日:2025/05/01