夏といえば屋外でのイベントが多くなるシーズン。7月のオーストリア西部ではインパクトが有る音楽イベントが開催されます。
西部にあるブレゲンツの街の国境付近にある湖で開催されるのは、なんと水上でのオペラ!!
この湖上の景色とオーストリアの街並みを歩く観光もあわせれば、いつもとは一味ちがう海外旅行になること間違いなし!
オペラを越えた超芸術湖に浮かび上がる歌劇の世界
ドラゴンが火を噴き、クレーンが動き、演者が水に飛び込む!迫力の演出で楽しむオペラ
毎年7月から開催されるブレゲンツ音楽祭。中でも目玉は7月下旬から幕が上がるボーデン湖での水上オペラ!
このブレゲンツ水上音楽祭は、屋外というだけでなく、舞台そのものを水上に築き上げた驚きの舞台。数ヶ月もの時間をかけて、水上に鉄骨を組み上げ頑丈かつ斬新なビジュアルの舞台を作ります。
舞台装置がクレーンでゆっくりと運ばれ、ステージ上に自由の女神が組み上がる様はまさに一大スペクタクル。オペラに詳しくなくても、その華やかさと意外性を十分に楽しむことができます。
プッチーニ、モーツァルト、ヴェルディ名作揃いのブレゲンツ水上音楽祭
2年毎に切り替わる演目にはメジャーな名作が多く、近年ではモーツァルトの「魔笛」、ヴェルディの「アイーダ」、プッチーニ「トスカ」などが演じられています。少し珍しい作品としてはウンベルト・ジョルダーノによる「アンドレア・シェニエ」が、詩人・シェニエ自身を舞台装置としたステージで上演されました。
2015年から2016年にかけてはプッチーニ作の「トゥーランドット」を上演。故・パヴァロッティなど、オペラ歌手が長年歌い継いできた至極のアリア「誰も寝てはならぬ」を、この水上の舞台で聴くことが出来るまたとないチャンスです。
ブレゲンツへのアプローチにオススメな2つのルート
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首都なら空路もローカルの交通も選択肢が豊富観光地としても外せないウィーンを起点に
オーストリアの首都ウィーンから入り、足を伸ばしてブレゲンツへ行くルートは、初めてオーストリアを訪れる人はもちろん、ヨーロッパ旅行の入り口としても非常におすすめです。ウィーンには、モーツァルトが実際に住んでいた家を公開した「モーツァルト・ハウス」、また美しき青きドナウでおなじみのヨハン・シュトラウスの墓や、「シェーンブルン宮殿」など由緒ある名所旧跡がいっぱい。
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都市間の移動が短く効率的時短を図れるオーストリア西部インスブルックから
チロル地方の山間の町インスブルックは、冬場のスポーツや古くはオリンピックの開催地としても知られている風光明媚な場所です。都会の喧騒を離れてゆったりと緑を眺められる町は、歴史ある建造物も多数。ほっと安らぐ旅行を計画するなら、こちら側からブレゲンツへ向かうルートがオススメです。
ブレゲンツ水上音楽祭の前後に足を運びたい観光エリア東西に広いオーストリアのみどころ
時代の移り変わりを見守り続ける都市で美しい町並みと、名店のスイーツを
オーストリアの首都ウィーン。ここは音楽の都として知られており、モーツァルトの足跡をたどったり、街中でとてもカジュアルにクラシックに触れることが出来る街。
美術方面では「ユーゲント・シュティール」の運動が目覚ましい頃の作品を集めたセセッション(分離派会館)があり、往年のクリムトの作品が展示されています。
街中には長く市民に愛されている大きな遊園地や、しっとりとした味わいのチョコレートケーキ「ザッハトルテ」発祥のホテル・ザッハーもあり、目に舌に楽しみがあふれる名所です。
名建築の歴史をたどるウィーン散歩
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まずは王道「ハースハウス」と「シュテファン寺院」
合成写真のようにも見えますが、こちらは実在の景色。12世紀に建造されたゴシック様式の大聖堂の向かいには、鏡のように周囲を映し出す近代建築のハースハウスが見事なコントラストを見せています。
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お城のようなガスタンク「ガソメーター」
1899年に建造された、お城のようなケーキのようなこの建物。こちらは欧州最大のガスタンクとして利用されていました。現在は集合住宅として利用されている他、催事場や映画館としても利用されています。
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フンデルトヴァッサー「クンストハウス・ウィーン」
カラフルなこの建物は、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーがデザインを手掛けたウィーンの市営住宅。すぐ近くには美術館を備えたクンストハウス・ウィーンがあり、彼の自然との共存を目指した建築思想を知ることが出来ます。
芸術と緑が織りなすオーストリアの魅力
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チロルの山々を臨むインスブルック
チロル州の州都であるインスブルックは、ウィンタースポーツが盛んな山間の町。山へ登るロープウェイやケーブルカーもあり、ハイキングなど自然と触れ合う開放的な時間を過ごすことができます。
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鋳鉄の街、塩の街、ザルツブルグ
モーツァルトの生家や、サウンド・オブ・ミュージックの舞台として知られるザルツブルグ。街を見下ろす岩山の上には堅牢なザルツブルグ城がそびえます。ゲトライデ通りの鋳鉄製の看板群はフォトスポットとしてもおすすめ。
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オーストリア第二の都市グラーツ
ウィーンに続き2番目の人口を誇るグラーツ。元日本代表監督のオシム氏が、来日以前に監督を務めていたSKシュトルム・グラーツの本拠地としてその名が知られました。王宮跡で見られる石造りの二重螺旋階段は必見。
※2015年5月現在の情報です、現地事情により内容が異なる場合がございますので、ご了承ください
PICK UP !ブレゲンツへ行く、第三の方法
オーストリアの西の端にあるブレゲンツへは、スイス側から入国する方法も。 経由する国は2ヶ国となるものの、移動距離はオーストリア国内の移動よりも短く、弾丸ツアーで挑むならこのルートもとても便利。 チューリッヒに滞在しながら、ブレゲンツの水上音楽祭には日帰りで出向くことが出来るので、スイス観光とオペラ鑑賞という楽しみ方が出来ます。 チューリッヒ市内からブレゲンツまでは、ユーロスター(鉄道)で約1時間半〜3時間。日本からオンラインで予約も可能で、お値段は速さとの兼ね合いで6,000円〜23,000円と幅があるので旅程を考えながら最適なコースを選びましょう。