ジロ・デ・イタリアは1909年から始まった、イタリア全土を駆け抜ける自転車レース。
世界3大自転車レースの中でもシーズンの最初に行われるジロ・デ・イタリアは、今期の選手成績やチーム動向など今後を占う非常に大事なレースだと考えられています。
山岳の斜面に細くうねるように続く険しい坂を舞台とするレースでは、登りでの肩が並ぶような熾烈な争いや、下りでの猛スピードの駆け引きが見どころのひとつです。
至近距離で駆け引きが繰り広げられるイタリア全土を走りぬけるジロ・デ・イタリア
ここに注目①自転車レースとイタリア各地の風景を同時に楽しむ
「グランツール」と呼ばれる世界3大自転車レースのうち、シーズン頭の5月に行われるのがこのジロ・デ・イタリア。
この後に7月のツール・ド・フランス(フランス開催)、8月のプエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン開催)が続きます。
2015年のジロ・デ・イタリアは5月9日から31日までの22日間開催され、途中2度挟まれる「休息日」以外の20日を掛けて3481.8kmを走ります。
他のグランツールはバカンスシーズンに開催されることに対し、ジロ・デ・イタリアはまだバカンス前の5月に行われるため、観戦客も比較的地元の人々が多いのもちょっとユニークなポイントです。

ここに注目②緑の山々に映えるカラフルなジャージ
日々のレースには数種類の賞があり、それぞれの固有の色のジャージが用意されています。
まずは最小時間で各レースを走り抜けた選手に贈られる「個人総合時間賞」、ジャージの色はピンクの「マリア・ローザ」です。これは当日の走行時間だけではなく、前日までの累計によって決定されるため、最終日のゴール時にマリア・ローザの着用権利がある選手が総合優勝者となります。
勝者のみが着用できるものの、これによってかかるプレッシャーや他チームからのマークもまた一層厳しいもの。途中まで維持したジャージを最終日前に手放すことも珍しくありません。
他には中間ポイントの通過順位が1位の選手に与えられる真っ赤なジャージ「マリア・ロッソ・パッショーネ」、険しい山岳部の難易度毎に設定されたポイントの加算で1位になった選手に与えられる山岳賞の青いジャージ「マリア・アッズーラ」、また新人賞にあたる白いジャージ「マリア・ビアンカ」などがあります。
ジロ・デ・イタリアを彩るルート周辺の風景
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ここもチェック!街を彩るピンク、ピンク、ピンク!
レースのメインカラーは、スポーツには少し珍しくピンク色。総合優勝者が着用するジャージもピンク。ルートに当たる街にはいたるところにこのカラーが掲げられ、レースを賑やかに演出します。 これはレースを主催するスポーツ新聞「ガゼッタ・デッロ・スポルト」の紙がピンク色であることに由来します。
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ここもチェック!「サイクリストの守護聖人」がいる教会
イタリア北西部、スイスとの国境付近にあるこのマドンナ・デル・ギザッロ教会は、ジロ・デ・イタリア以外にもプロが参加する自転車レースの通過点となっています。
1949年に当時のローマ法王ピウス12世により「サイクリストの守護聖人」と公認され、名実ともに聖地として各国の自転車乗りに知られるようになりました。
旅におすすめのジロ・デ・イタリア観戦エリア
ルート最南端「ベネヴェント」
第9ステージとなるベネヴェントはアッピア街道沿いに経済発展を遂げたこぶりな街。歴史がある建造物が多いところが特徴。2011年に世界遺産に登録されたサンタソフィア教会はぜひ見ておきたい。
イタリア東部でアドリア海を臨む
イタリアとクロアチアにはさまれた美しいアドリア海沿岸を走るのは第10ステージ。アンコナからリミニのルートはまさに沿岸部を走るため、爽快な海辺と自転車レースを併せて観戦するにはベストなエリアです。
北東部の美しい山岳地帯「ドロミテ」
まだ雪化粧に包まれていることも多い第15ステージ付近の山岳地帯は、青空がとても映えます。
標高3,000mを超える山も多く、夏場には観光で賑わいを見せます。腕に覚えがあるサイクリストは輪行で是非名物峠にチャレンジを!
難易度MAXの山岳コース周辺
第19ステージ周辺では難易度が高い山エリアが続きます。標高2,000mを超えるチェルビニアへゴールするこの日はレースの中でも特に注目されています。冬場のスキー場としても知られるエリアなのでホテルも多く便利。
最終日のスタート地点「トリノ」
フィナーレを飾る第21ステージのスタート地点は、聖骸布が納められた大聖堂があることでも知られる「トリノ」。古くからのチョコレートやお菓子工房が知られています。トリノからはイタリアの主要都市への鉄道がとても便利。イタリア観光の起点にもオススメです。
ゴールとセレモニーを「ミラノ」で
最終ゴール地点は観光地としても有名なミラノ。2015年はジロ・デ・イタリアと同時期にミラノ国際博覧会が開催されるため、例年にも増して世界中からの観光客が集まることが予想されています。歴史、文化、ファッションと様々な魅力を堪能できるエリアです。
食彩の国イタリアで食べておきたいローカルメニュー
南部カンパーニャ州:ベネヴェネトはナポリの隣接県。足を伸ばして本場のナポリピッツァを!街のピッツァ屋さんでは、日本円で500〜800円位でビールと丸ごと1枚のピッツァが楽しめるお店もあります。
アドリア海沿岸:エミリア・ロマーニャ州では生ハムやチーズなどの加工食品が多く生産されています。季節にあわせていちじくやメロンと生ハムを併せていただくと、果汁とハムの塩気がなんとも言えないハーモニー。ワインも進みます。
トリノ:歴史あるチョコレート工房が多く、チョコレートショップをめぐるチョコパスというものがある街。チョコレートはお土産にも手頃で喜ばれるもののひとつ。
ミラノ:レストラン巡りには事欠かないミラノ。子牛の肉を薄く叩き伸ばして、特産のパルミジャーノを混ぜた衣で焼き上げたカツレツが有名。旅の記念に是非ご当地で。

観戦エリアを目指そう!イタリアの玄関、フィウミチーノ空港から各地へ
アドリア海側や南部へ行くなら鉄道を利用して各地へ向かうルートを。空港からローマ中心のテルミニ駅までは電車で1本。テルミニ駅からアドリア付近のリミニの街までは最短約3時間半で到着できます。 北部へ向かう場合はミラノ着の航空便を利用する方法と、フィウミチーノ空港から国内線に乗り換えて各地へ向かう方法があります。国内線でトリノ(カゼッレ空港)へ向かう場合、国際線のゲートからかなり距離があるので時間の余裕を持ったフライトプランでお出かけ下さい。
※2015年3月現在の情報です、現地事情により内容が異なる場合がございますので、ご了承ください