カナダといえばメープルシロップ! 種類や選び方のポイントとは?
カナダの名産品であるメープルシロップは、カエデの樹液をじっくり煮詰めたものだとご存じですか? 幹を通して大地の豊かな恵みをたっぷり吸い上げたあまい蜜は、幸せの味。年間6万トン以上を生産する名物をチェックして、カナダ観光ではメープルシロップを堪能しちゃいましょう。
全世界で味わえるメープルシロップのうち、約7割がカナダ・ケベック州で作られています。言わずと知れた「メープルシロップ大国」であるカナダは、もちろん輸出においても世界でトップ。
かつて食糧不足にひんしていた北米先住民が、カエデの樹液を飲んだリスが元気に動き回るのを見たことから、人々が口にするようになったとも言われています。
メープルシロップは、今ではすっかり日本人にもおなじみの甘い蜜となりました。
カナダでメープルシロップが採取されるようになったのは、今から500年以上も昔のこと。
もともとカナダにはメープルの原生林が多く見られ、先住民たちはその樹液(メープルウオーター)が甘くてエネルギー源としても優秀であることを知っており、春先になるとメープルウオーターを採取するために移住する一家もいたのだとか。
そして1,600年代に先住民が、ヨーロッパからの入植者にメープルウオーターのことを伝え、1700年代には煮詰めて作ったメープルシロップを味わうようになったそうです。
現在は、日本でも気軽にメープルシロップが味わえますが、そもそもメープルシロップとは大変希少なもの。
メープルの樹木は、夏に樹木の内部にあるでんぷんを糖分に変え、寒さが厳しいカナダの冬を越えて、春になるとようやくメープルウオーターが抽出できます。
しかしその時間帯は、春の10日から20日間の昼間のみである上に、40リットル採取できた場合に、そこからできるメープルシロップはたった1リットル程度なのです。
無色透明のさらりとしたメープルウオーターは、天然水のようなクリアな味わいですが、かすかに甘みもあるのだとか。これを煮詰めて作られるのが、100%ナチュラルなメープルシロップです。
春先に採取されたメープルウオーターは、時間をかけて高温で、糖度66%になるまで煮詰めます。それからろ過して不純物を取り除けば、メープルシロップのできあがりです。
メープルシロップはサトウカエデの原生林が広がる、カナダ南東部を中心に生産されます。
ケベック州、オンタリオ州、ニューブラウンズウィック州、ノバスコシア州の4つの州で生産されていますが、中でもケベック州は世界最大の生産地。ケベック州の気候は、おいしいメープルシロップ作りには最適なのだそうです。
メープルシロップの売り場では、色味がそれぞれに異なると思ったことはありませんか?
シロップの色は採取時期が後になるほど濃くなり、それにとって糖含有量も異なるので、味わいが変わってきます。
採取時期が早く、色が薄いものからゴールデン(デリケート)、アンバー(リッチ)、ダーク(ロバスト)、ベリーダーク(ストロング)に大きく分けられます。
一般的な琥珀(こはく)色のメープルシロップは「アンバー」タイプ。お土産にも一番無難なタイプです。
ベリーダークはもっとも風味が芳醇(ほうじゅん)で、甘みは少ないため、肉・魚料理などに用いられるそうです。
メープルシロップがヘルシーであることは、あまりにも有名です。ビタミンや抗酸化物質、65種類ものポリフェノール、たんぱく質や亜鉛など、栄養価も挙げればキリがありません。
売り場ではメープルシロップの類似品に気をつけましょう。例えばコーンシロップにメープルの風味づけをした“ケーキシロップ”は、もちろん純正のメープルシロップではありません。
また“メープルシロップ”という商品名でも、原材料にコーンシロップが表記されていれば、残念ながら純正ではありません。ちなみにいずれも、純正に比べればお値段はリーズナブルです。
純正のものを入手するには、ボトルの原材料名表示をチェックしましょう。
「カエデ樹液」「楓糖液」「メープルシロップ」などと書かれているものがピュアなメープルシロップです。等級によって風味が異なるため、用途に合ったグレードのものをチョイスしてくださいね。
パンケーキがもっとも定番ですが、ヨーグルトやホットドリンクはもちろん、肉料理などにも使えるメープルシロップ。自分用や友人用におすすめのシロップをご紹介します。
商品展開もバラエティー豊かな「カドデュケベックメープルシロップ」。ゴールデン、アンバーなどのグレードはもちろん、メープルスプレッドや持ち運びサイズのものまでそろいます。
こちらも、地元の人々にも人気の「Canada No.1メープルシロップ」。特に人気なのが“アンバー(リッチテイスト)”です。甘みとコクをしっかり感じられます。
ケベック州で生産される「モン・ファボリメープルシロップ」。やはりこちらも“アンバー(リッチテイスト)”グレードのもので、美しい琥珀色と深い余韻を堪能できます。
ケベック州のメープルシロップ生産組合であるコープが製造する「シタデール ピュアメープルシロップ」。さらりとしたテクスチャーのライトなシロップが特徴的です。
比較的リーズナブルに購入できる「カークランドメープルシロップ」。スイートな味わいなので、パンケーキやヨーグルト、グラノーラなどとも相性抜群です。
※本記事は2017年10月時点の情報です
更新日:2025/05/01