マカオ・グランプリは市街地で行われるド迫力レース!
マカオ・グランプリ(マカオGP)は、ポルトガル統治下の1954年から続く伝統の自動車レース。60回を超える歴史を持ち、優勝者にはセナや佐藤琢磨が名を連ねるなど、有名ドライバーも多数参戦しています。狭い一般道をフォーミュラカーが走る姿は迫力満点! 期間中はどこにいてもエンジン音が聞こえます。
2017年に第64回を開催したマカオ・グランプリは、毎年11月に4日間にわたって開催される世界的な自動車レースです。第1回の開催は、ポルトガル植民地時代の1954年。マカオやアジア各国に住んでいた、モータースポーツ愛好家のための草レースの色が濃いものでした。
当初から公道を封鎖して行われたマカオ・グランプリは、レース専用のフォーミュラカーと一般のツーリングカーが混じって走るなど、レギュレーションもルールもゆるめ。その後、大手自動車会社の参入や資本投入などが相次ぎ、1970年代には本格的なクラス分けもされていきます。
1983年の第30回には、フォーミュラ3世界選手権のレースとして、世界中からトップドライバーが集まる世界的なグランプリレースとして知られるようになりました。
現在のマカオ・グランプリは、いわゆるレース用のフォーミュラカーだけでなく、市販車ベースのGTクラス、さらにバイクレースも行われています。クラス分けも細分化され、さらにカートのレースも行われるなど、この期間のマカオはグランプリ一色に変わります。
さまざまなカテゴリーに分かれるマカオ・グランプリでも、F3の優勝者はやはり格別です。
1983年に行われた第1回の優勝者は、伝説のF1ドライバーであるアイルトン・セナ。その後もミハエル・シューマッハやデビッド・クルサード、フォーミュラEで活躍するルーカス・ディ・グラッシ、日本人では2001年に佐藤琢磨選手がその快挙を成し遂げています。
マカオ・グランプリ最大の特徴と言えば、世界最難関とさえ言われるコース「ギア・サーキット」でしょう。
敷地の狭いマカオは自動車レースの専用コースは造ることができないため、全長6.2kmの公道コースのスタート地点はなんと、マカオ港の国際旅客ターミナルを通る直線道路。コース自体もとても狭いために、毎年のようにクラッシュも多数。
タイヤバリアなども少ないむき出しのような難コースを、爆音をたてて栄光を目指し走り抜けるレーシングカーの迫力と美しさは格別です。
グランプリ開催中、マカオではさまざまなイベントが開かれ、街のどこにいてもお祭り気分を味わえます。
イベントは観光スポットでも開かれるので、ドライバーやチームスタッフやレースクイーンと意外な場所で会えるかもしれません。現地の観光案内所やウェブサイトからインフォメーションをチェックできるので、どこでどんなイベントがあるか? 把握してグランプリを何倍も楽しみましょう。
なお、市街地は交通規制があるため、路線バスやカジノなどへの無料シャトルバスの乗り場や運行ルートが変わります。こちらもあわせて確認しておきましょう。
この世界的なレースは、1993年に開催40周年を記念して造られたグランプリ博物館でも楽しめます。
内部ではレースの歴史を学び、貴重な数々の展示物を見学できます。実際に使用された貴重なレースカーやオートバイ、アイルトン・セナが83年に優勝した際に使用したラルトRT3やヘルメットや写真、佐藤琢磨が2001年の優勝時に使用したダラーラ無限の展示もあります。
実際のレースの様子を体感できるゲームシミュレーターもあるので、レースファンでなくでも楽しめるでしょう。
なお博物館は、リフォームプロジェクトにより2017年より閉鎖しています。再開時期はホームページなどで確認しましょう。
※本記事は2016年12月時点の情報です
更新日:2025/05/01