ワインのように味わいたい……イタリアのオリーブオイル
オリーブオイルは、産地やオリーブの品種によって味や風味が全く異なります。繊細なものから個性的でパンチの効いたものなど、食材や料理に合わせて、また個人の好みに合わせて自由に使い分けます。
産地・銘柄・風味・料理との組み合わせ、と言っても、ワインの話ではありません。イタリアではオリーブオイルの生産が盛んで、ワインと同様「原産地呼称指定銘柄」を基にオイルを買い求める人も多いのだとか。
フルーティー、ピリッとした辛味、芳醇な香りなど、これらはオリーブオイルを表現する際に使われる言葉です。まるでワインのようですね。オリーブオイルの中でも特に新鮮で良質のものは、「オリーブジュース」のようと称されます。
健康や美容のために、実際にオリーブオイルを飲んでいる人もいるほどです!
オリーブオイルは、オリーブの果肉を搾って作られます。まずは収穫した実を選別してきれいにゴミやホコリを取り除き、機械や石臼でペースト状にすりつぶします。より豊かな風味を出すために、この段階で撹拌するのが特徴です。撹拌したものに圧力をかけて搾ったら、瓶詰めされて完成です。
主に地中海沿岸諸国で栽培が盛んなオリーブ。イタリアも一大生産地です。
オリーブは気候や土壌によって栽培される品種が異なり、でき上がるオリーブオイルの風味や味もさまざま。オリーブオイルはワインのように味や香り、色、オリーブの品種によって全く異なる面白さがあります。
イタリアを地域ごとに見ていくと大まかに、北部・中部・南部に分けることができます。
北部のオイルは上品で繊細と表現され、新鮮なサラダや魚料理との相性良し。南部では香りが高くパンチの効いた個性的なオイルが作られる傾向にあり、肉料理や長時間煮込む料理、温野菜のドレッシングなどに多用されています。中部では北部と南部の特徴を併せ持った、バラエティーに富んだオイルが作られます。
オリーブオイルを使用する料理は数え切れないほどありますが、特にイタリアでおすすめなのが「バーニャカウダ」。バーニャカウダはテラコッタの器で、オリーブオイル・アンチョビ・ニンニクで作ったソースを温め、野菜や魚介類・肉・パンなどを浸して食べます。
現地では少なくなったソースに卵を入れて、スクランブルエッグを作るとか。
料理や食材によって相性の良いオリーブオイルがあると言われますが、個人の好みによって楽しめるのがオリーブオイルの面白さ。いろいろ試して自分好みのオイルが見つかると、料理の世界が広がりますよ。
※本記事の内容は、2016年11月時点の情報です。
更新日:2025/05/03