イタリアの民族衣装を知ってる?意外と見たことあるかも!
イタリアには地方ごとに独自の民族衣装があります。現代でも絵画作品や映画、お祭りなどと、何かと目にする機会は多いです。衣服の文化や歴史を知れば、イタリア・ローマ文化への理解がより深まります。
イタリアにも独自の民族衣装があります。彫刻や絵画、ドラマや映画でも目にすることが多いため、これらの知識があればイタリアに触れる楽しみがさらに増します。なかには、現役で活躍しているものもありますよ。
古代ローマ人の男性が着ていたのが「トガ」です。ヒットした『テルマエ・ロマエ』などの映画でも、目にしたことのある人も多いのでは。正装時の上着であるトガは、たっぷりとしたひだが特徴で、大きな一枚布を巻きつけるようにして着用します。
身分によって色や素材、装飾の有無などが決められており、皇帝や貴族、庶民では着ているトガが異なります。古代ローマのドラマを観るときは、比べてみると面白いかもしれません。
マニカ・スッタカービレは、二の腕の途中から手首までを覆う着脱可能な装飾用の袖で、ルネサンス期のイタリアで大流行したものです。真っすぐな形をしたものが一般的で、袖なしの胴衣と一緒に着用していました。
刺繍がふんだんに施されており、当時の人々に装いのアクセントとして愛されていました。さらに胴衣と袖の間から肌を露出させたり、シュミーズをのぞかせたりして、上級者のおしゃれを楽しんだようです。
ラファエロの『一角獣を抱く貴婦人』をはじめ、ルネサンス期の人々を描いた絵画ではよく見られる衣装ですので、美術館に行くときは描かれている人物をよく観察してみてください。
離島であるサルディーニャ島では、各村独自の民族衣装が1950年代まで日常的に着用されていました。今でも島内最大のお祭り、聖エフィジオ祭のときには、各地から伝統の衣服を身にまとった人々が州都カリアリに集結します。
なかでも有名なのが、ドルガーリに伝わる民族衣装。特に女性用の服は色鮮やかで、かわいいと評判です。白い胴衣に極彩色のベール、刺繍の施された飾り袖と、見ているだけで気持ちが華やぎます。お祭りのシーズンにサルディーニャ島を訪れたなら、じっくり観察してはいかがでしょう。
伝統の衣装を知ることは、その地方独自の歴史と文化を深く味わうための第一歩。あなたの旅をより意義深いものにしてくれるはずです。
※本記事は2016年11月時点の情報です
更新日:2025/07/06