さまざまな文化の波及により醸成されたナポリの独自文化。海や青空、火山を望む自然と温暖で豊かな気候。「ナポリを見て死ね」の名言どおり、イタリアのナポリを見ずして、恋も人生も芸術も語れません。そんなナポリを知ることができる、観光スポットの歩き方を紹介します。
フェリー乗り場からすぐ、5つの円筒状の塔を持つ城壁で囲まれたヌオーヴォ城。正面右ふたつの塔の間は、大理石のレリーフを施した凱旋門で、ルネサンス様式の傑作と言われています。
13世紀にフランスのアンジュー家が建てた城は、後にアラゴン家の手によって再建され、現在は内部を市立博物館として公開しています。パラティーノ礼拝堂の14世紀ごろの彫刻とフレスコ画が有名ですが、展望台から眺めるナポリの海も「ナポリを見て死ね」の名言どおりのすばらしさです。
17世紀スペイン治政下に工事が始まった王宮は、18世紀まではナポリ王が住まなかったと言われています。その後の火災や戦争を経て改修を繰り返し、当時の姿を残すのは中庭だけになっています。
12世紀以降の8人のナポリ王の像が見どころ。19世紀に設置された玉座などのナポリ宮廷の歴史を物語る豪華な空間や、隣接されるナポリ国立図書館、美術館も見学したいスポットです。
カンツォーネに歌われている「サンタ・ルチア」は、ナポリの美しい海辺ボルゴ・サンタ・ルチア地区のことを指しています。その海岸通りから海に飛び出した要塞が卵城。中世のこの地域を支配したノルマン人が城の基礎に卵を埋め込み、卵が壊れるときに町も崩壊するように、とのろいをかけたことが由来とされています。
ここからナポリ湾や青の洞窟で有名なカプリ島を眺めて、のんびり過ごしてみてはいかがでしょうか。夜間のライトアップの中での散歩もおすすめです。
ナポリ市街を一望できるヴォメロの丘に建つ、修道院を元とした美術館。アンジュー家によって1325年に創建され、1578年にバロック建築を取り入れたと言われています。中でも教会は17世紀のナポリバロック様式の傑作と言われ、回廊、キリスト降誕を表すプレセピオまで続くコレクションは必見です。
ナポリならではの情趣が今でも残る旧市街・下町エリア。その名の通り、ナポリをふたつに割ったような路地には、青い空に翻る洗濯物や活気あふれるにぎやかな市場と、街の主要なゴシック教会とが並んでいて「ナポリのすべてがここにある」とも言われている地区です。
アニメ映画でも見たことがあるような風景は、憧れのヨーロッパの雰囲気そのもの。ナポリならではの雰囲気を味わうなら、ぜひこの路地を歩いてみてください。
「恋と夢と太陽の島」と言われるカプリ島。温暖な気候と美しい海岸線とが人々を魅了する、世界が憧れる保養地とされています。
この島の一番の見どころは青の洞窟。実際に内部へ入るなら午前中に行くのがベストです。洞窟までの船旅、ボートに乗り換えてからのスリリングさ、透き通るような青に輝く洞窟はまさに非日常。忘れられない思い出になるはずです。