リゾート地バリ島にも、もちろん世界遺産はあります。風情のある庭園がポイントのタマンアユン寺院、避暑スポットとして人気のバトゥール湖、歴史を感じられるウルン・ダヌ・バトゥール寺院。ビーチで遊び疲れたら世界遺産めぐりはいかがでしょうか。
バリ島の中心デンパサールから車で約1時間のところにあるタマンアユン寺院。メングウィ王朝の歴史を感じるメルと呼ばれる多重塔が目を引く、趣のある庭園寺院です。1634年にメングウィ王国の鎮護寺として建設され、現在もバリ島の人々が祈りをささげる神聖な場所になっています。
お堀に囲まれた寺院内には手入れの行き届いた芝生が広がり、石の割れ門をくぐって境内に入ります。割れ門の先には進歩道と呼ばれる聖域が続いており、バリ島に根付いているヒンドゥー教の世界を肌で感じることができるでしょう。
また、バリ島にある寺院のなかでも2番目の大きさを誇るタマンアユン寺院の境内ではオダランという祭りが行われ、伝統音楽であるガムランや華麗な伝統衣装をまとって踊りを奉納しながら、世界平和や無病息災への祈りをささげます。
バトゥール湖はバリ島北東部に位置する世界遺産で、エンドウ豆の形をした湖。バトゥール湖は、活火山であるバトゥール山のクレーターによってできたカルデラ湖です。かつて湖の女神を祭った寺院も存在していましたが、噴火や地震の影響でなくなってしまいました。
バトゥール湖は、活火山であるバトゥール山のクレーターによってできたカルデラ湖です。かつて湖の女神を祭った寺院も存在していましたが、噴火や地震の影響でなくなってしまいました。
標高1,500mを超える標高に位置するキンタマーニ高原の足元に広がる湖で、気温の高いバリ島でも、年間を通して涼しく過ごすことができる避暑スポットして人気があります。
湖周辺には日帰り温泉施設「バトゥール温泉」や、古代バリ文化である風葬を伝承する村「トルニャン」があります。風葬は火葬や土葬とは異なり、自然なかたちで風化させるという珍しい信仰で、心が安らぐような香木の香りに包まれて身体が自然に帰るという伝統的な風習です。
ウルン・ダヌ・バトゥール寺院はプラタン湖畔にひっそりとたたずむ世界遺産です。標高1,500mという高地にあるこの寺院には200以上のメル(宝塔)が軒を連ね、伝統建築の美しさを強調しています。バリ島でも屈指のリゾート地区ブデュグルにあり、洗練された雰囲気と深い歴史の香りがマッチした寺院でもあります。
以前はバトゥール湖畔にあったものの、火山の噴火によって消えてしまいました。その後、村人たちによって災害を防ごうと場所を山の外郭に移して再建設されたのが、このウルン・ダヌ・バトゥールです。
また、ヒンドゥー教が伝わる前は仏教寺でしたが、現在は仏とバトゥール湖の守護神デウィ・ウルン・ダヌを同時に祭る相互信仰の寺として人々に愛されています。仏と湖の守護神が平等に祭られている姿は、聖域である本殿で見ることができます。