近年、仕事(Business)とレジャー(Leisure)を組み合わせた新しい旅のスタイル「ブレジャー(Bleisure)」が注目を集めています。
働く場所にとらわれず、旅先でも仕事と休暇の両方を楽しむ人が増えるなか、その理想を体系している都市の一つが「ドバイ」です。
近代的な高層ビル群と砂漠の雄大な自然が共存するドバイは、世界有数の観光地でありながら、リモートワーカーや起業家が拠点を構える「働く旅先」としても存在感を高めています。
本記事では、ドバイでのノマドワークをテーマに、働く環境やビザ制度などの実用情報から、アートや観光を楽しむスポットまで、仕事と旅を両立できる魅力を紹介します。

摩天楼が立ち並ぶダウンタウンエリアや、アラビアの伝統が息づくオールドタウン、白砂のビーチリゾートなど、最先端と伝統が調和した景観が訪れる人々を魅了するドバイ。
一方で、「ブレジャー(仕事+観光)を実現できる旅先」としても注目を集めています。
高速インターネットの普及や整備された交通網、治安の良さと快適な都市設計など、仕事と観光を自然に両立できる環境が整っており、世界各国からノマドワーカーや起業家が集う都市へと成長を遂げています。

働く環境の整備や治安の良さから、ドバイはノマドワーカーにとって理想的な滞在先として注目を集めています。
ここでは、ビザ制度や税制の優遇、生活インフラなど、働きやすさを支える5つのポイントを紹介します。
ドバイでは、2021年に「バーチャル・ワーキング・プログラム」が導入され、海外在住者でも最長1年間、リモートワークをしながら滞在できるようになりました。
居住許可を得たうえで、現地の銀行口座開設や通信契約が可能となるなど、中長期滞在者にとっても実用的な制度です。
ビザ取得要件も明確で、一定の収入証明と健康保険の加入があれば申請できます。
新たな制度により、ノマドワーカーが安心してドバイを拠点にできるようになりました。
ドバイを含むアラブ首長国連邦では、個人の所得税が一切かかりません。
欧米諸国では収入の多くを税金として納めるケースもありますが、ドバイでは手元に残る金額が大きく、より自由度の高い働き方を実現できます。
また、企業として活動する場合も、条件次第でフリーゾーン(経済特区)の優遇措置を受けられる可能性があります。
フリーゾーンとは、外国企業や個人事業主が100%の外国資本で会社を設立できる特別区域のことです。
法人税の免除や輸出入税の優遇、外国人による土地・オフィスの賃貸・所有が認められるなど、多くの特典が設けられています。
安心して暮らせる都市設計と治安
「中東=危険」というイメージとは異なり、ドバイの治安は世界でも高い水準にあります。
街全体に監視カメラが設置され、法整備や罰則も厳格に運用されているため、犯罪発生率は非常に低く、観光客や外国人も比較的安心して過ごせる環境が整っています。
交通機関や医療、生活インフラも整っており、清潔で安全な快適な暮らしを支える都市設計が特徴です。
初めて海外で働く人にとっても、日常生活の安心感があることは大きな魅力といえるでしょう。
世界最高水準のデジタルインフラが整備され、カフェやホテル、コワーキングスペースでは高速Wi-Fiが使えることも多く、街中どこでもスムーズにオンライン業務ができます。
さらに、配車アプリ「Careem」や電子決済、行政手続きのデジタル化など、日常生活のあらゆるシーンでテクノロジーが働く人を支えています。
国籍も職業も多様な人々が集まるドバイでは、国際的なノマドコミュニティが自然と形成されています。
カフェで隣に座る人が起業家だったり、週末のMeetup(ミートアップ)で新しい仕事につながったりと、英語が広く使われる環境のなかで誰もがオープンに交流できます。
異文化に触れながら働く刺激と、世界中に仲間ができる楽しさこそが、ドバイが「ノマドの理想郷」ともいわれる理由の一つです。
ドバイは、中長期で働く人にとって理想的な環境ですが、短期滞在でも十分にドバイの魅力を味わえます。
「まずは気軽に体験してみたい」「中長期の滞在は難しい」という方に向けて、3日間の滞在を想定した、仕事とリフレッシュを両立できるドバイ旅のモデルプランを紹介します。

旅行初日は、到着してすぐに観光に出かけるのも良いですが、まずは海を望むカフェでリモートワークをしながら、ゆったりと1日を始めてみましょう。
洗練された街並みと開放的な海風に包まれた空間は、リラックスしながらも仕事に集中できる理想的な環境です。
午後は、白砂のビーチが続く「ジュメイラ・ビーチ・レジデンス(JBR)」を散歩し、のんびりとした時間を満喫しましょう。
夕方には「ドバイ・マリーナ」の海沿いレストランで、サンセットを眺めながらディナーを楽しむのがおすすめです。

2日目は、世界一高い建造物「ブルジュ・ハリファ」からスタート。
地上828メートルの展望デッキから見渡すパノラマは圧巻で、未来都市ドバイのスケールを肌で感じられます。
その足元に広がる「ドバイ・モール」では、世界中のブランドショップやレストランが立ち並び、買い物やグルメを通してドバイらしい豊かさを楽しめます。
午後は、近未来的な外観が印象的な「未来博物館(Museum of the Future)」へ。
AIやロボティクスをテーマにした展示を見学しながら、新しい発想やインスピレーションを得られる時間を過ごしてみてください。

最終日は、古き良きアラビアの街並みが残るオールド・ドバイを訪れてみましょう。
「スパイス・スーク」や「ゴールド・スーク」を歩けば、香辛料の香りや煌びやかな金細工が旅情を誘い、異国情緒を五感で楽しめます。
「ドバイ・クリーク」を渡る水上タクシー(アブラ)に乗れば、現地の人々の暮らしにふれ、ドバイのもう一つの表情に出会えるはずです。
近未来都市としての顔と、伝統が息づく街並みの両方を味わうことで、この街の奥深い魅力をより実感できます。
観光後はホテルのラウンジやコワーキングスペースに戻り、旅の思い出を整理したり、ゆったりと仕事を進めるのも良いでしょう。
非日常と日常が自然に交わる時間も、ドバイで過ごす“ノマド旅”の醍醐味といえるでしょう。
ビジネス都市として発展を続ける一方、ドバイは芸術や文化の面でも世界的な注目を集めています。
仕事の合間にアートやデザインに触れることで、思わぬアイデアが生まれることもあるでしょう。
ここでは、息抜きとしてはもちろん、創造性を刺激するインスピレーションスポットとしても楽しめる、ドバイの代表的なカルチャーエリアを紹介します。
倉庫をリノベーションしたギャラリーやスタジオが並ぶ「アルサーカル・アベニュー(Alserkal Avenue)」は、ドバイの現代アートシーンを牽引するエリアです。
国内外のアーティストやデザイナーが集まり、展示会やワークショップが定期的に開かれています。
アートを通じてドバイの今を感じながら、新しいインスピレーションを得られるでしょう。
ファッション、建築、テクノロジーなど、あらゆる分野のクリエイターが活動する「ドバイ・デザイン・ディストリクト(d3)」は、街全体が一つのデザインギャラリーのように設計されています。
洗練されたカフェやコワーキングスペースも多く、仕事の合間に立ち寄れば、新しいアイデアや出会いが生まれるきっかけになるでしょう。

2020年のドバイ万博をきっかけに誕生した「EXPO City Dubai」は、再生可能エネルギーを活用したサステナブル都市として注目されています。
現在も万博当時のパビリオンの一部が一般公開されており、環境・科学・イノベーションなどをテーマにした体験型展示を見学できます。
子どもから大人まで楽しみながら学べる構成となっており、次世代の働き方やサステナブルな暮らしへのヒントが得られるスポットです。
世界中から人々の夢と挑戦が集まる街「ドバイ」は、観光都市としての華やかさに加え、働きやすさや暮らしやすさを兼ね備えた“ノマドの理想郷”として注目されています。
中長期滞在を支えるビザ制度、快適なインフラ、多文化が共存する寛容な社会、そしてビジネスとレジャーが自然に融合する環境が整っています。
まずは、短期の滞在で“ノマド体験”をしてみるのもおすすめです。
ブレジャーの舞台として、ドバイほど刺激的な場所は多くありません。
次の旅では、仕事と人生の両方を豊かにする新しい楽しみ方を、ぜひドバイで体感してください。