【オーストラリアの先住民・アボリジニ】彼ら歴史や文化をチェック
『アボリジニ』はオーストラリアに数万年前から定住している先住民族です。自然と調和して独自の文化を築き上げた彼らには、ドリームタイムという天地創造神話があります。その他にも『アボリジニ』特有の音楽やアートがあり、多くの観光客に親しまれています。
広大な大地と豊かな自然に恵まれたオーストラリアには、アボリジニという独自の文化を形成してきた先住民族がいます。オーストラリアに訪れる前に最低限知っておきたいアボリジニの歴史や文化についてご紹介します。
アボリジニとはオーストラリアの先住民族です。その名の由来は、ラテン語の「始めから」という意味を持つフレーズ「アブ オリジン(ab origine)」からきています。アボリジニがオーストラリアへの定住を開始したのは5万年以上前といわれています。
一口にアボリジニといっても広大なオーストラリア大陸に在住していた彼らは、地域や部族により異なる言語、文化、生活習慣を持っています。それぞれの地域や部族の共通点は文字文化を持たない、狩猟民族であることなどが挙げられます。
アボリジニは、氏族関係の結びつきについて特定の動物や鉱物といった“トーテム(氏族に共通する先祖(霊)をあらわす)”との結びつきを大切にしてきました。
またアボリジニは先祖代々“ドリームタイム”と呼ばれる天地創造の神話を伝承しています。ここでいうドリームの意味は「夢」ではなく、時間的な感覚です。
ドリームタイムには大別して三つの時代があり、一つは天地や生物が存在しない「始まりの時代」、二つ目は、天地や生物が誕生した「創造の時代」、最後に歴史や生活の知恵を伝える「伝承の時代」です。
現在は「伝承の時代」に当たり、絵画や歌で先祖代々の歴史や生きるための知恵が語り継がれてきました。
アボリジニは世界最古の管楽器ともいわれる“ディジュリドゥ”を1,000年以上前から儀式で使用してきました。地の底に響くような音にはヒーリング効果もあり、儀式だけでなく病気の治療にも用いられてきたそうです。
現在でもディジュリドゥはヒーリングミュージックに使用されているほか、健康との関連性について研究が進められています。
また、現在ではディジュリドゥを使ったアボリジニの伝統音楽とロックが融合した音楽なども、多くの人に親しまれています。日本人にも、ディジュリドゥの名手がいますよ。
なお、この楽器は男性が作ったものとされており、現地では女性が触れることにすら敏感というケースがあるようです。アボリジニ文化を尊重する上で、現地では賢明な行動が求められます。
文字をもたないアボリジニならではのアートがあります。代表的なものに繊細で美しい点描を用いた『ドット・ペインティング』が挙げられます。
アボリジニアートはほかにもレントゲン写真に似た画法の『X-Rayペインティング』といったものもあり、これらの雑貨やアート品はお土産として観光客に人気があります。
オーストラリアの歴史を語る上で先住民のアボリジニの存在は欠かせません。アボリジニの歴史や生活を体験できるツアーはオーストラリア全土で展開されています。彼らの歴史や文化を知ることで、オーストラリア旅行がますます充実したものとなるでしょう。
更新日:2025/07/01