ベトナムの首都ハノイ。迷路のように複雑に入り組んだ昔ながらの街並みが続く旧市街や、フランス植民地時代の面影が残る建物など、オリエンタルな雰囲気や西洋の文化が入り交じった、ベトナムの歴史を象徴する街です。見どころの多いハノイでも、見逃せない観光スポットを厳選して紹介します。
今でもベトナム国民の心に生き続け、「ホーおじさん」の愛称で親しまれているホー・チ・ミン主席。遺書には火葬して分骨して埋葬するように記されていましたが、ベトナム労働党の決定により永久保存され、ここに遺体が安置されています。今でも多くのベトナム国民が参拝に訪れます。
1969年までホー・チ・ミンが住んでいた家。ホー・チ・ミン廟の敷地内にある木造高床式の家で、生前の質素な生活ぶりをしのばせる書斎や寝室など見学ができます。
多民族国家のベトナムでは、全土に54もの民族が暮らしています。ベトナム民族学博物館を訪れれば、さまざまな民族の文化や暮らしぶりを知ることができます。敷地内には民族の伝統家屋も移築されており、内部の様子も見学できます。
週末には野外の池で、ベトナムの伝統芸能である水上人形劇を楽しむこともできます。少数民族の手工芸品や織物、竹細工など、お土産の品ぞろえも豊富です。
フランス統治下ではベトナム人政治犯を、ベトナム戦争中には捕虜になった米軍兵士を収容した施設です。館内では当時の処刑道具・拷問器具などが公開されています。
1993年に収容所は閉鎖され、再開発のため取り壊されましたが、一部が博物館として残りました。植民地として戦地として、いくつもの危機を潜り抜けてきたベトナムの歴史を学べる場所です。
中心部にある『セントジョゼフ教会(ハノイ大教会)』は、パリのノートルダム大聖堂を手本につくられたネオゴシック様式のハノイで一番古い教会です。仏教徒が大半を占めるベトナムにおいては、ひときわ目立つ教会です。
フランス軍がハノイ城を占拠した後にもともとあったバオティエン塔の跡地に、フランス人のプギニエール司教によって建設されました。内部には美しいステンドグラスがあります。教会のバラ窓から差し込む神秘的な光も人々の心を魅了します。
1070年に建設された『文廟』は、儒教の祖である孔子を祀る『孔子廟』とも呼ばれています。1076年にはリー・ニャン・トン皇帝によって、王族や貴族の子弟や官僚たちが学ぶ学校「国子監」も建てられました。
敷地内には亀の石碑が並び、その背には官吏登用試験である科挙の合格者の名前が刻まれた『進士題名碑』があります。
2010年に世界遺産に登録された『タンロン遺跡』。11世紀から19世紀にかけて、ベトナム諸王朝が都を築いていたために、さまざまな時代の遺跡が重なって残る遺跡です。
フランス植民地時代にはフランス軍総司令部として、ベトナム戦争時にはベトナム人民軍の総司令部としても使われました。
タンロン遺跡の南側には、軍事歴史博物館があります。実際にベトナム戦争で使われた戦闘機や戦車などが、戦争当時のまま残されています。国旗掲揚塔にも上ることができて、ハノイの街並みを360度見渡せます。
水上人形劇上『タンロン水上人形劇場』は、ベトナムで人気の伝統芸能です。近年は外国人観光客も多く見物に来ます。
ベトナムの神話や歴史を、愛嬌たっぷりの人形たちがコミカルに分かりやすく表現してくれます。劇場で流れる音楽は、伝統楽器を使った生演奏で迫力があります。