台湾滞在中に体験しておきたい楽しみの1つは、ローカルな風情と空気感が味わえる夜市です。台北の寧夏夜市では、庶民の味である台湾小吃を提供する屋台がずらりと並び、食べ歩きを楽しむことができます。
台北の下町エリアで開催される寧夏夜市では、全長400メートルほどの通りの両脇に、食事や揚げ物、串焼きなどの台湾小吃を提供する屋台が並びます。
大規模な市ではありませんが、日本のお祭りに似た風景の中、食べ歩きをしながら夜の時間を楽しめます。
寧夏夜市に出店する屋台には、台湾グルメがバラエティー豊かに提供されています。
台湾ソーセージや牡蠣オムレツのほか、魯肉飯などの丼物、臭豆腐や鴨の血などの台湾食材を使った総菜などが販売されています。
芋団子や愛玉ゼリー、豆花などの台湾デザートのほか、フルーツやジュースなど気軽に楽しめる屋台フードの種類も豊富です。
最寄り駅はMRT(都市鉄道)中山駅もしくは雙連駅で、それぞれの駅から約10分歩くと到着します。台北駅からタクシーに乗車する場合は約5分で到着し、アクセスしやすい場所にあります。
寧夏夜市の屋台は食べ物がメインで、地元の「人々が集う台所」といった雰囲気に満ちています。台北市内でもここにしか出店していない有名屋台がいくつもあり、営業開始とともに行列ができる店が多数あります。
「阿婆飯糰」は、木製のお櫃で炊いたもち米にいろいろな具を包んだ、台湾風おにぎりの名店です。種類は一つで、具には揚げパン、肉でんぶ、台湾風総菜などが入っています。
民生西路側にある夜市の看板近くに出店しており、常に、地元民や観光客が列をなしています。
阿婆飯糰の向かいにある「頼鶏蛋蚵仔煎」では、台湾グルメの代表格、牡蠣オムレツの名店です。小ぶりながらうまみが詰まった牡蠣が入ったオムレツは、外側がカリッと内側がトロリとした焼き上がりです。
持ち帰り可能ですが、店横にはイートイン可能なテーブルがあり、座って食べることもできます。
串に刺されたさまざまな食材がずらりと並ぶ「微笑碳烤」では、肉、魚介、野菜、練り物などの串焼きを食べることができます。一度素揚げしたあとタレをつけて焼き上げたものを袋で手渡されるため、食べ歩きには最適です。
屋台が並ぶメインストリートの南側、南京西路側の端から数軒目に出店しています。
寧夏夜市では、お店によって、店の後ろにテーブルをそなえたイートインスペースがあります。丼物や麺類、鉄板焼きなど、食べ歩きに適さない食事の際に利用できます。
どの店も限られた簡易的なスペースなので、譲り合って利用しましょう。
台湾旅行で押さえておきたい王道グルメの数々も、寧夏夜市で食べることができます。
煮込まれた肉とタレがかかった魯肉飯や鶏肉飯、焼きそばやビーフンなどの麺類は屋台ごとに種類が豊富です。
具材がたっぷり入ったスープや麺入りスープも多数あり、合わせて注文できる台湾小吃も屋台ごとにそろっています。
寧夏夜市には、店頭で思わず足を止めずにはいられないB級グルメも豊富にそろいます。
アヒルの血を固めたものと臭豆腐を煮込んだ鴨血臭豆腐、ちまきにレバーが入った猪肝栄肉粽、鴨の足や舌を焼いたものなど、日本では見かけないものを体験できます。
パクチー入りのピーナツアイスロール花生卷冰淇淋、タロイモを揚げた香酥芋丸など独特なスイーツもおすすめです。
夜市グルメに舌鼓を打ったあとは、台湾ならではのデザートでしめましょう。
タロイモを使った香酥芋丸=芋団子を販売する屋台は、地元の人たちに絶大な人気を集めています。
タロイモの持つ自然な甘さと、サクッと揚がった触感を楽しめる、日本人好みのシンプルな味わいです。肉餡などを包んだ香酥芋丸も人気があり、お店では常に行列ができています。
寧夏夜市で食べられるデザートには、台湾風かき氷もあります。普通の氷に白玉や小豆、フルーツを乗せたもの、ミルク味の氷にマンゴーやバニラアイスを乗せたものなどが人気です。
黒糖で作った氷を削り、タピオカなどのトッピングの上から蜜をかけた変わり種のかき氷もあります。
おすすめは、寧夏夜市の端にある甘記燒仙草。タピオカや生果実が入ったかき氷を楽しめます。
比較的治安が良いとされる寧夏夜市ですが、人混みの多い場所では観光客を狙ったスリに気をつけましょう。
歩行者の脇を通り抜けるタクシーやバイクとは、接触事故の可能性があるため注意が必要です。
また、散策中にトイレに行きたくなった場合、夜市の中間地点にある蓬莱国小学校のトイレを借りられます。