マカオの世界遺産、歴史地区にある注目スポット厳選3つの歩き方!
マカオにある世界遺産の歴史地区。あわせて20以上もある中でも、中心地にあるセナド広場と、そこから徒歩圏内の聖ポール天主堂跡とモンテの砦は、ポルトガル統治時代の影響が色濃く残り多くの人が訪れます。美しさの裏側にある、当時の歴史やマカオと各国の思惑を学び、じっくり時間をかけて歩いてみましょう。
マカオ歴史地区として世界遺産に登録されているマカオ中心地区。歴史的建築物が22カ所、広場が8カ所登録されていますが、そのなかでも観光の出発点に最適なのがマカオ歴史地区の中心に位置するセナド広場です。
市内観光の出発地として多くの人が訪れるセナド広場の周辺は、ポルトガル統治時代の影響が強く残っている地域。美しい建物や石畳の風景は、ヨーロッパの雰囲気そのものです。広場の中心にある噴水はマカオのシンボルでもあり、あたりは夜になれば美しいライトアップが楽しめます。
聖ポール天主堂跡は、使徒聖パウロにささげられた大聖堂の跡で、マカオで最も有名な世界遺産です。1582年に聖アントニオ教会付属の礼拝堂として建てられ、1601年の火災で焼失した後、1602年からイエズス会士によって再建が始まり、30数年の歳月をかけて1640年に完成しました。
この天主堂は、当時のアジアでは最大のカトリック教会でした。しかし、ポルトガルの国力が衰えマカオも衰退期に入ると、この天主堂もまるで運命をともにするかのように1835年に火事に見舞われ、現在はファサードと呼ばれる建物正面の壁面だけが残りました。
現在も残るファサードの彫刻は、2度目の建設時に、イタリア人イエズス会士カルロ・スピノラの指揮のもと、地元の大工とキリスト教が禁教となり逃れてきた長崎の隠れキリシタンにより施されたと言われています。
その職人技は、壁面中央の聖母マリア像や壁面に彫られている天使、悪魔、花々、龍、帆船、4人の聖職者たちの像など、今でも繊細さをとどめていて見ごたえは十分です。
マカオの街を外敵から守るため、聖ポール天主堂とともにイエズス会の修道士によって造られたのがモンテの砦です。ここからはマカオ市内が一望でき、その先の中国本土まで見渡すことができる絶好の展望台となっています。
小高い丘の上には今でも22門の大砲が海上をにらんでおり、1622年にはオランダ艦隊を見事撃退した、という歴史があります。18世紀中ごろまでは総督官邸も置かれ、軍事施設としては1960年代にポルトガル軍が撤退するまで、実に300年以上マカオを守る拠点として使用されました。
大砲は海に向けて取り付けられていますが、唯一中国大陸方面に向けては取り付けられていません。これは当時から中国とは敵対する意思が無かったことを示しており、そのような歴史的な背景もモンテの砦の魅力です。
更新日:2025/04/19