【タイのワット・ポー】巨大黄金仏からマッサージまで見どころまとめ
タイの首都バンコクにあるワット・ポーは、巨大な黄金の寝釈迦をまつる寺院として有名です。アユタヤ王朝末期、ラーマ3世によって17年の歳月をかけて建立されたバンコク最古の寺院で、本堂や仏塔、ヨガポーズのユニークな石像群と、見どころが多いスポットです。人気のタイ古式マッサージにもチャレンジしてみましょう。
ワット・ポー(Wat Pho)はアユタヤ王朝の末期に建立されたと言われ、バンコク王朝時代になると本堂や回廊、礼拝堂、そして仏塔も建てられました。
この寺院の代名詞といわれるのが、全長46メートルの金色に輝く涅槃像です。間近に迫る大きな目や口に圧倒されつつ頭からおなかの部分を通り、足元まで回れば宇宙観を描いた宗教画を見ることができます。
涅槃像の足の裏に緻密に描かれた絵は合計108つ、これは日本でもなじみ深い「煩悩の数」と同じ。螺鈿(らでん)細工という特殊な技法で描かれています。この宗教画の付近では、その素晴らしい技術をカメラに収めようと多くの観光客でにぎわいます。
背中の方へ回ると108つの大きな黒い鉢がずらり。これはお布施をするための鉢です。受付でバーツをサタンというタイの硬貨に換えてもらい、鉢の中に硬貨を入れていきましょう。お布施をもって煩悩を捨て去るというわけです。
二重の回廊によって囲まれた本堂の内部には、150尊の仏像があります。本尊はブロンズ製で、黄金色のきらびやかかつ絢爛豪華ですが、同時に厳かな雰囲気をかもしています。
本堂の周りを囲む四つの仏塔は、それぞれが歴代の王のお墓です。見事な彫刻で飾られており、実際に遺骨も納められているのだそうです。
なお、この仏塔が中国を経由して日本へ渡り、五重の塔へと変化していきました。そのため、日本の五重の塔もワット・ポーの仏塔と同じようにお墓としての機能があるのだそうです。
タイに伝わるルーシーダットンは、日本語で「仙人の体操」という意味をもち、独特のポーズをとることで体の調子を整えます。タイ版のヨガ、といえばわかりやすいかもしれません。
敷地内では、このルーシーダットンのポーズをした像を見ることができます。片足立ちの像やスーパーマンのようなポーズをした像、お釈迦様のように座禅を組んだ像の数々は、見ているだけでも楽しめるでしょう。
敷地内では、毎朝ルーシーダットンのレッスンもあるそうですよ。
ワット・ポーには、一般的な宗教画とは少々趣の異なる、人体の絵なども描かれています。これは古くから伝わる医学資料でもあり、ツボや気の流れを描いているものだそう。ワット・ポーは宗教施設でありながら、タイ医療の拠点という面も兼ねているのです。
そして、ワット・ポー参拝の目玉の一つがタイ古式マッサージ。敷地内の二カ所で施術の提供が受けられるものの、人気が高く常に行列があるそうです。タイミングをみはからって、ぜひ本場の施術を味わってみましょう。
ワット・ポーを含め、タイの仏教寺院を観光するときに気を付けたいのが服装です。キャミソールやショートパンツのような肌の露出が多いものは、入り口でNGが出る可能性大。仏教寺院への拝観にふさわしい、肌の露出が少ない服装を心がけましょう。入り口ではおるものの貸し出しも行っています。
とても気温が高いタイは、観光でも必ず水分補給を心がけたいところ。ワット・ポーでは、入場時に無料でペットボトルの水がもらえます。それを飲みきったら、売店でアイスや飲料も購入可能です。
※タイの水は硬水が多く、ペットボトルのものでも体に合わないことがあります。
ワット・ポーは、マハラート通りとタイワング通りの交差点付近にあります。近くにはチャオプラヤ川が流れており、エクスプレスボートの「ター・ティアン船着場」からはすぐ。
見学は朝の8時から可能、涼しいうちに行くのも一つの手です。朝方の時間を狙えば比較的過ごしやすく、また混雑を避けられます。
周辺にも有名な観光スポットがいくつもあります。隣接する王宮に、ワット・プラケオやワット・アルン、ワット・マハータートなどと、寺院巡りのスタート地点にするのもいいかもしれません。
更新日:2025/05/01