米だけじゃない!ベトナムで食べられるおいしいパンは?
ベトナムでは、ごはんやフォーだけではなく、パン食の主流となっています。街中にある屋台などではフランスパンにベトナムらしい食材をはさんだベトナム風サンドイッチ「バインミー」を楽しむことができるほか、レストランなどではベトナム版ビーフシチューにフランスパンを浸して味わうこともできます。
ベトナムでは主食としてごはんや米粉で作られるフォーが多く食べられていますが、パンも人々から気軽に楽しめる主食として親しまれています。そこでベトナムで人気のパンについてご紹介していきます。
ベトナムはかつてフランス植民地時代があったことから、「東洋のパリ」と呼ばれるホーチミンやフランス人居住区があったハノイを中心に、建物や料理にフランス文化の影響がいまだに残されています。当時から長くベトナムの人に親しまれている料理に、ベトナム版ビーフシチューといわれている「ボーコー」があります。
ボーコーは牛肉や玉ネギ、にんじんなどの野菜をじっくりと煮込んだ八角の香り高いエスニックな風味。好みによってライムで香りづけをしながら、添えられたフランスパンを浸して食べます。西欧のビーフシチューとは異なり、ベトナム料理でよく使用されるコリアンダー(パクチー)という香草を添えて食べる、ベトナムらしい独特な風味を楽しむことができる料理となっています。
ベトナムでは街のあちこちで、フランスパンで作られたサンドイッチも多く見かけます。フランス文化の名残を残すこのサンドイッチは「バインミー」と呼ばれ、ベトナム流サンドイッチとして屋台などで多くの人に親しまれています。ただしベトナム語ではパン自体をバインミーと言うため、パンを表す言葉として使用されることもあります。
フランスパンのバゲットに切り込みを入れ、その内側にバターやレバーペーストを塗り、ハムやソーセージなどのお肉、きゅうりやレタス、玉ねぎなどの野菜、パクチーなどの香草や酢漬けの大根・にんじんなどを挟みます。最後にベトナムの魚醤といわれるヌックマムやタイ料理でよく使用されるシーズニングソースで味付けをし、さらにお好みで唐辛子などのスパイシーな調味料を加えて楽しみます。
ベトナムのお土産と言えば雑貨やコーヒーなどが定番ですが、お菓子の「安南ラスク」も最適です。安南ラスクは、バインミーを焼き上げてラスクにしたもの。コリアンダーや、ベトナムと言えば定番のコーヒー、マンゴーなどが材料として使用しているので、ベトナム独特の風味を味わえます。
これらの多彩な味を持った安南ラスクは、旧市街のハンヴァイ通りにある「安南パーラー」というカフェで食べたり、購入したりできます。
ベトナムは中国やフランスの文化の流れを受けていて、今もなお、その名残を残している国です。ベトナムへ行ったら、そのような歴史的背景を感じながらフランス料理の名残となっているパンをメインに、フレンチベトナム料理を堪能することもできます。
※本記事の内容は、2016年10月時点の情報です。
更新日:2025/05/01