かつてルネサンス文化の中心地として栄えたフィレンツェ。いまなお残る世界遺産の美しい街並みが「花の都」と称される、華やかな魅力のある街です。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど名だたる芸術家の足跡が残っており、美術館鑑賞やアートに興味がある方には欠かすことができない観光地でしょう。
フィレンツェ観光なら外せないこの教会、正式名称は「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」。140年以上もの年月をかけて建設されたと言われる、カトリックの教会です。街のシンボル的存在でもある、建物中央に位置する巨大なドーム(クーポラ)は、石積み建築としては世界最大の規模と言われます。
内部はほの暗く落ち着いた印象ですが、クーポラ内側に描かれた「最後の審判」を始めとして、「十字架」「受胎告知」「聖母の戴冠」など、誰もが一度は見聞きしたことのある絵画やステンドグラスは必見です。クーポラから見下ろすフィレンツェの街並みは圧巻ですので、ぜひドゥオーモ共通チケットを買って上ってみることをおすすめします。
フィレンツェの街並みを眺めるには、こちらもおすすめ。小高い丘にある展望スポットで、中央に立つミケランジェロの「ダヴィデ像」のレプリカが目印です。夜景はロマンチックで美しいと評判ですが、朝焼け・夕焼けも風情があり、アルノ川対岸の美しい街を見下ろしながらじっくりと時間を過ごせます。
フィレンツェに来たらぜひとも訪れておきたいのが、ここウッフィツィ(ウフィツィ、ウッフィーツィとも)美術館。世界でもっとも有名な美術館のひとつとも言われています。
長い年月をかけメディチ家が収集してきたミケランジェロ「聖家族」、ボッティチェッリ「春」「ヴィーナスの誕生」ダ・ヴィンチ「受胎告知」などの名画のコレクションは必見です。展示室は45、展示点数は2500にものぼると言われており、丸一日かけて見学するつもりでスケジュールを組んでおくのがよいでしょう。
サン・ロレンツォ教会に付属して建てられた、「君主の礼拝堂」「新聖具室」からなる建造物群です。
礼拝堂は、一度中に足を踏み入れると豪奢な内装に圧倒されるでしょう。数百種類におよぶという色彩豊かな大理石が足元からふんだんに使われており、君主であるメディチ家が膨大な時間と富を費やしたことがうかがえます。
新聖具室はメディチ家の霊廟としてミケランジェロが設計した建築物で「曙」「黄昏」「昼」「夜」の4体の像が置かれており、ミケランジェロの傑作のひとつと言われています。
フランシスコ会の教会はカトリック教会としては世界最大の規模を誇り、ジョットやその弟子たちによる装飾がほどこされた豪華な聖堂です。内部はガリレオ、ミケランジェロ、マキャベリ、ロッシーニなど著名人の墓が276も収められ、巨大墓地としての性格も併せ持ちます。
とても広い内部は芸術家たちの手が加えられ、重厚な雰囲気が感じ取れます。中でもドナテッロによる金色のレリーフ「受胎告知」、ジョットのフレスコ画「聖フランチェスコ伝」は必見です。
別名「ロッジア・デッラ・シニョリーア (Loggia della Signoria)」「シニョリーア回廊」とも呼ばれています。シニョリーア広場で行われた市民集会が雨でも続けられるようにと、1382年に建設されました。大きな3つのアーチが通りに面しているステージのような野外彫刻展示場で、代表的な芸術品としてはチェッリーニの「ペルセウス像」やジャンボローニャの「ザビーネの女達の強奪」などがあります。
フィレンツェは「街中が美術館のようだ」と言われていますが、ランツィのロッジアは、まさにそれを体現している建築物。14世紀の歴史が、違和感なく現代の町にも溶け込んでいます。