他のヨーロッパの国と同じく、スペインも多くの芸術家を輩出しています。ピカソやサルバドール・ダリ、ゴヤ、ディエゴ・ベラスケスなど、スペインが誇る巨匠たちの作品を現地で鑑賞するチャンス。スペインの美術館をめぐる旅に出ませんか?
マドリードにあるプラド美術館には、スペインの王家に関わる美術品が所蔵されています。そのほか、スペイン以外のヨーロッパの美術品も展示されているので、メリハリのある見ごたえのあるコレクションが鑑賞できます。
最も有名だと思われる作品は、17世紀スペインを代表する画家、ディエゴ・ベラスケスの「女官たち」「バッカスの酒」などです。ゴヤの「裸のマハと着衣のマハ」、そして「我が子を喰(く)らうサトゥルヌス」もここで見られます。そのほか、エル・グレコやルーベンスの作品も展示されています。また、毎週火曜日~土曜日の18~20時、日曜日の17時~19時は入場無料で楽しむことができます。
たくさんの偉大な芸術家を輩出したスペイン。シュルレアリスムの芸術家であるサルバドール・ダリも、そのうちの一人です。フィゲラスにあるダリ美術館は、外観からすでにダリの面白さをこちらに語りかけてきます。内部に展示されている作品や、その展示方法も芸術の喜びと驚きを感じさせてくれるもので、美術館という名のテーマパークのようです。
とにかく入る前から出るまでずっと飽きさせず来場者を楽しませてくれる美術館。ダリの作品を見たことがない人も、なぜ彼が人気なのかわかるはずです。館内にはダリの墓もあります。自らの作品群に囲まれて眠っているのです。ファンならば一度訪ねてみたい美術館でしょう。バルセロナから100キロメートル離れたジローナ空港からだとアクセスが便利です。
近代の芸術家で最も知名度が高いかもしれないピカソ。バルセロナのゴシック地区にあるピカソ美術館には、彼の子ども時代から老年時代まで、その生涯をなぞるように作品が展示されています。幼少時代からピカソはずば抜けた才能を発揮していたことがわかり、さらに作風がつぎつぎに変化していく過程には、芸術家としての真摯で情熱的な姿勢が感じられます。自画像や、ジャウマ・サバルテスの肖像画、青の時代の作品群なども注目ですが、面白いのはプラド美術館の目玉であるベラスケスの女官たちのピカソ版。両作品を見比べてみるのも興味深いです。
ピカソ美術館といえばパリのピカソ美術館を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、こちらも作品の所蔵数がじゅうぶん見ごたえのある美術館です。