香港の絶品エッグタルト! 行ったら一度は食べてみて
香港のエッグタルトは実はマカオ発祥。西洋と東洋がまじり合う、多様で豊かな食文化が表れています。マカオ風のものや香港風のもの、さらにパイ生地とクッキー生地とバリエーションに富み、いまや香港を代表するスイーツのひとつ。ミルクティーとの相性も良く、お土産にも喜ばれますが、持ち帰りにはひと工夫が必要です。
香港に行くならおいしいものは外せません。本格中華から、手軽な屋台のアジアン・ファストフードまで、食に関してのバラエティーの豊かさは世界でも指折りの街です。
もちろん絶品スイーツもあります。それはエッグタルトです。
エッグタルトはポルトガル料理がルーツ。ポルトガルでは『パステル・デ・ナタ』という名称で、パイなどのタルトにカスタードクリームが入っています。見た目はほぼ同じなのだとか。
このエッグタルトがマカオに広まったのは1980年代のことですが、当時マカオでベーカリーを営んでいたイギリス人アンドリュー・W・ストウ氏が、ポルトガルでのレシピをもとにマカオで売り出したのが始まり、とされています。
エッグタルトにはマカオ風と香港風があります。マカオ風は土台がパイ生地でバター風味のきいた濃厚な味。こげ茶っぽくついたクリームの焼き目が食欲をそそります。
ポルトガル(=“葡”のレシピを活かした『葡式蛋撻』)のレシピを活かしていることから『葡式蛋撻』や『葡撻』といった名前で呼ばれています。
現地で人気のお店はやはり、香港エッグタルトの立役者、アンドリュー・W・ストウ氏のお店。『ロード・ストウズ・ベーカリー』という名称で各地に出店しています。
香港風のエッグタルトは「マカオ風」のように焼き目がなく、卵の黄色が鮮やかなのが特徴です。ベースとなる生地はパイ生地とクッキー生地の2種類、バターを使うマカオ風と違い、パイ生地にはラードが使っていることからサクサク感が楽しめます。
クッキー生地には軽い塩味がのっていて、濃厚な卵との相性は抜群! パイ生地のものは飲茶や茶餐庁(チャーチャンテン・香港スタイルのカフェ)など、クッキー生地のものはベーカリーで楽しめます。
香港式のミルクティーは、イギリスや日本で飲まれているものと一味違い、紅茶にエバミルクがブレンドされた状態でサービスされます。
香りを強調するために紅茶自体を濃く淹れてあるのですが、同時に強くなった渋みをエバミルクで補うことで濃厚な味わいを引き出します。テークアウトも可能ですが、茶餐庁では厚手のコーヒーカップやガラス、またはプラスチックのコップで供されるのが一般的です。
例えば、老舗の茶餐庁『檀島珈琲餅店』のパイ生地のエッグタルトとこの香港式ミルクティーのコンビネーションは、香港の「鉄板」スイーツといえるでしょう。
エッグタルトは、買った当日が一番おいしくいただけます。もし、お土産として持って帰るときには一工夫が必要です。時間があれば、ホテルで一つずつラップに包んでフードストッカーに入れると、型崩れせずに持ち帰れます。
自宅に到着したら、冷凍しておくとひと月くらいは大丈夫でしょう。食べる時には解凍せずにそのままトースターで加温します。
裏技としては、国内でライセンス生産品を購入するという手もあります。マカオ風の元祖であり老舗の『ロードストウズカフェ』のエッグタルトは『アンドリューのエッグタルト』として日本でも販売されています。
※本記事の内容は、2016年10月時点の情報です。
更新日:2025/05/01