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日本のパスポートは狙われやすい?パスポート偽造犯罪の実態と注意点

一般的なパスポートの役割といえば、海外旅行をするために必要な身分証明証書という認識かもしれません。しかし、実はパスポートをめぐり犯罪に巻き込まれる可能性もあります。パスポートは重要な本人確認書類であると同時に、取り扱いに注意する必要があることを認識し、管理・保管をしなくてはなりません。
治安が良いとされている日本では、パスポート犯罪というものにあまりなじみがないかもしれません。しかし、海外では紛失などによって予期せず犯罪に巻き込まれ、結果パスポート偽造に加担してしまった、といったケースも多くあります。今回は、パスポート偽造に関する犯罪や偽造防止策などをご紹介します。

パスポート偽造犯罪とは

「パスポート偽造」という言葉は知っているものの、その詳細は知らないという方もいるのではないでしょうか。偽造犯罪の例として、気づかないうちにパスポート偽造や口座譲渡などの犯罪に手を染めてしまうというケースがあります。
パスポートのしまい忘れや紛失、空き巣などにより、盗難されたパスポートが偽造され、不法な出入国や銀行口座開設・借金などの犯罪に使用されることもあります。パスポートを保持している誰もが、偽造犯罪に巻き込まれる可能性があるのです。最近では偽造が難しくなった日本のパスポートを取得するために、不法滞在の外国人が日本人と偽装結婚をして、戸籍を取得したうえでパスポートを取得する偽装パスポート犯罪も横行しています。

実は日本のパスポートはターゲットにされやすい

実は日本人のパスポートは偽造犯罪のターゲットにされやすいということをご存じでしょうか。通常、他国へ渡航する場合は査証(ビザ)が必要になります。ビザの取得手続きは国によってさまざまですが、かなりの手間や時間を要する国もあるようです。

日本のパスポート保持者は、定められた期間内の観光旅行であれば、ビザを取得しなくても189カ国※に出入国が可能です。隣国中国のビザ不要渡航可能国は40カ国程度なことからも、日本のパスポートの価値が実感できるのではないでしょうか。このような理由から、日本のパスポートは狙われやすく、実際に偽造犯罪も増えています。

※2019年4月現在の無査証入国可能数です。この数は年により変動する場合があります。

パスポート偽造防止策と見分け方

外務省は2006年以降、新たに申請するパスポートに国際民間航空機関(ICAO)が策定したIC旅券の国際標準において、必須と規定されている顔画像・国籍・氏名・生年月日・旅券番号など旅券面の記載事項が記録されたICチップの組み込み、1,000個以上の隠しロゴをちりばめるなどといった偽造防止策を施しました。

その結果、旅券に印刷された写真とICチップに組み込まれた写真をブラックライトで照合し、偽造パスポートの判別が瞬時にできるようになりましたが、偽造の精度や犯罪も日々進化しているため、ICチップがあるから大丈夫との過信は禁物です。万が一、パスポートの紛失・盗難に気が付いた場合は偽造を防ぐため、すみやかに警察へ届け出て盗難証明証を発行してもらいましょう。

なお、偽造パスポートの見分け方は素人には非常に困難です。日本では偽造パスポートに関する鑑識機関は入国管理局が行っており、パスポート番号には偽造防止措置が取られています。ブラックライトを当てると模様や文字が映し出されるなど、パスポート自体にも偽造防止措置が施されているようですが、偽造防止のためかその詳細は明らかにされていません。

パスポート偽造は、公文書偽造罪にあたり、厳しい罰則が科せられます。パスポートの扱いには十分に注意をして、犯罪に利用されることのないようしっかり保管するようにしましょう。

 

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