2018年冬季五輪の舞台にも高原の豊かな自然に囲まれ、古刹が点在する平昌(ピョンチャン)
平昌(ピョンチャン)は、韓国北東部の江原道(カンウォンド)にある、東京都の約7割の面積をもつ郡。その65%が標高700mを超える高原地帯で、牧場や史跡、映画のロケ地などの見どころが数多くあります。ソウルからはバスで2~3時間、豊かな自然を楽しめる場所として知られ、近年はスキーリゾートとしても注目を集めています。
平昌(ピョンチャン)のおもな見どころ
登山やハイキングが人気の五台山(オデサン)
五台山(オデサン)は標高1,563mの毘盧峰(ビロボン)を主峰とする多数の峰のこと。一帯は国立公園に指定され、1,000mを超える峰へと続く登山道やハイキングコースが整備されています。コースはさまざまに用意されているので、所要時間や体力などから自分に合ったものを選んで、四季折々の美しさを楽しめます。
主なコースは、上院寺(サンウォンサ)から毘盧峰(ビロボン)を目指す毘盧峰(ビロボン)コースや、武陵渓谷(ムルンケゴク)を出発しいくつもの滝を眺めながら渓谷沿いを歩く小金剛(ソグムガン)コースなどです。
五台山を代表する寺院、月精寺(ウォルジョンサ)
五台山の東側の谷あいにある月精寺(ウォルジョンサ)は、7世紀の新羅の時代に創建されたと伝えられる仏教寺院です。曹渓宗という宗派における重要な寺で、朝鮮戦争の際に建物は全焼したものの、本堂前に建つ高麗時代に造られた国宝の八角九重石塔など、多くの文化財も残されています。
また、金剛門の上階部分にある金剛楼は、美しく彩色された天井が見事な建物。楼の中には輪蔵台(ユンジャンデ)と呼ばれる八面の回転式書架があり、1回まわすと1回お経を読んだのと同じご利益を得られると言われます。
参拝を終えたら、樹齢500年と言われるモミ林の道を歩いてみましょう。木々に囲まれた気持ちのいい散歩道が、寺の近くから約1kmも続きます。
3つの国宝がある上院寺(サンウォンサ)
上院寺(サンウォンサ)は、月精寺(ウォルジョンサ)から約9kmの場所にある寺で、現在の建物は20世紀に再建されたものですが、創建は7世紀にさかのぼります。
朝鮮王朝7代目の王、世祖(セジョ)との関わりが深い寺で、現在も残る3つの遺物が国宝に指定されています。世祖(セジョ)が見たという文殊童子(ムンスドンジャ)を模した木像、上院寺(サンウォンサ)を再建するために世祖(セジョ)が書いた重祠勧善文、さらに韓国に現存するもので最も古いと言われる銅鐘がそれにあたります。
上院寺(サンウォンサ)から毘盧峰(ビロボン)へ向かう約3.5kmの登山道は、五台山でも人気のコースとなっています。
羊と触れ合う大関嶺羊牧場(テグァンリョンヤンテモクチャン)
高原地帯の爽やかな気候と広い土地に恵まれた平昌には、観光用の牧場もいくつかあります。
大関嶺羊牧場(テグァンリョンヤンテモクチャン)は、約300頭の羊がいる韓国唯一の羊牧場。入場料にエサやり体験代が含まれているので、牧草をあげながらかわいい羊たちと触れ合えます。牧場の敷地は約1.2kmの遊歩道で囲まれており、高原のきれいな空気の中で散策できる気持ちいい場所です。
5月~10月は放牧が行われるので、牧場でゆったり草をはむ羊たちを見るならこの時期に訪れるといいでしょう。
2月~3月は出産シーズンですので、この時期に行けば生まれたばかりの子羊も見られるかもしれません。
2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックの会場に
アルペンシアリゾートでジャンプ台の上の展望台へ
2018年2月に開催される冬季オリンピックは、平昌(ピョンチャン)を中心に開催されます。
そのメイン会場のひとつが、平昌郡大関嶺(テグァルリョン)にあるアルペンシアリゾート。スキー場だけでなくホテルやゴルフ場、コンベンションホールなどもある巨大な複合施設です。
高さ98mと125mの2つのスキージャンプ台は、オリンピックではスキージャンプ競技などの会場となる予定です。このジャンプ台と、さらに高い円盤状の展望タワー(スカイラウンジ)へは、モノレールとエレベーターに乗って行く見学ツアーも開催されています。台の上から、まるで選手になったような気持ちで周囲を眺めることができます。
このほかにも、平昌では龍平(ヨンピョン)リゾートや普光(ボクワン)フェニックスパークなどがオリンピック会場になる予定です。開催地を訪れれば、オリンピックがいつもよりおもしろいものになること間違いなし。オリンピックに向けて着々と準備が進む活気に満ちた雰囲気を味わいに、この地へ訪れてみてはいかがでしょう。