台湾文化を知る。日本との違いは?

文化

多民族文化、日本の影響などを知る 台湾特有の文化を知って 現地の息吹を感じよう

95%以上が単一民族で成り立つ日本ではなかなか馴染みのない多民族性を台湾では感じることができます。台湾では本省人・外省人・客家人と呼ばれる捉え方があり、こういう知識は現代の台湾を理解する近道でもあります。また台湾における喫煙や飲酒などについては日本と異なる習慣もあるため、文化・習慣の違いを知ることで身近な台湾への旅行を一層深いものにしていきましょう。

多民族文化の融合

台湾の民族

大陸からの移民

台湾で言う“本省人”とは、1945年日本が太平洋戦争に敗れ、中華民国へ台湾が帰属する以前から台湾に住んでる漢民族と客家、高砂族やタイヤル族など台湾原住民との混血の子孫で閩南語を話す人々を指します。つまり現在の台湾の本省人の大部分は大陸からの移民の子孫にあたります。“台湾原住民”と呼ばれる人々のみが住んでいた台湾は、17世紀にオランダが台湾を支配した時代に農業労働者として中国福建省の人々が多く移り住み、その後、客家人が台湾に移動する流れがありました。ちなみに「客家」とは漢民族の中でも中原発祥の中華文化を守ってきた正統な漢民族で、ほとんどの家に古代からの族譜があり、祖先信仰が強く、文化・風習も頑なに守られてきました。周囲から隔絶されて発達した客家語には古代の文語がうずもれるように残っている部分があると言われています。また、太平洋戦勝終結後に大陸から台湾に移って来た“外省人”と呼ばれる人たちと、それ以前から住んでいた本省人はほぼ同じ中華民族です。

日本の文学を好む文芸青年

日本文化からの影響

約50年間、日本の植民地だった台湾。台湾の公共インフラや文化教育水準はこの時期に飛躍的に向上し、経済的に発展したという歴史が背景となり、今では親日家として知られています。現在、戦争を経験していない若い世代で流行中の文化に、文青というものがあります。“文芸青年”の略で、2000年前後より、メジャー路線よりもマイナー路線を好み、音楽や映画を深く好み、日本文化に傾倒する20〜30代の若者が文青と呼ばれています。村上春樹などの文芸やメインストリームな新宿や渋谷ではなくサブカル寄りのエリアとして下北沢を好み、痩せ型で黒縁眼鏡にスキニーパンツスタイル、という文化イメージがあるのが面白いところ。映画「モテキ」の主人公が文芸青年の典型に近いそうです。日本時代に帝大が創設された、台北市南部の繁華街で国立台湾大学(旧台北帝国大学)を中核とする文化エリアは、文芸的雰囲気が満ち、カジュアルなショップやレストラン、路地裏に隠れた独立系書店、ライブハウス、カフェなどが“文青”の溜まり場となっています。

台湾の市場風景

生活の中で感じられる文化

喫煙に厳しい文化のある台湾。2009年1月より、3人以上が集まる室内は公共の場とみなされ、台湾の居酒屋やスナック、バーなどを含むすべての飲食店のほか、ホテルも全館禁煙になりました。公共交通機関である列車やバスの車内も同様で、違反者への罰金制度などもあり屋内の喫煙はなかなか難しいところです。どうしても、という場合はホテルや現地の人に聞くことがベスト。マナーある対応を心がけるようにしたいものです。ちなみにタバコは台湾の現地コンビニで、80元(250円くらい)で購入可能。また台湾での飲酒は18歳から可能です。ただ全般的に飲酒は控え目。中年世代には食事の席で紹興酒やコウリャン酒が好んで飲まれますが、幅広い世代にビールも人気で、若い世代には種類豊富なカクテルなどに人気があります。台湾のお国柄か、外ではあまりお酒を飲む文化がありません。席のない屋台では料理のみが提供されることが多いため、屋台でお酒を飲んでいる人をあまり見かけないのも特徴です。飲みながら食べたい方はコンビニなどで事前に調達しておくといいかもしれません。

※2014年4月現在の情報です、現地事情により内容が異なる場合がございますので、ご了承ください

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